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自衛隊の「武器・弾薬・燃料・人員」は十分か?

「自衛隊ができない100のこと 52」

防衛予算は外側を増加させ中身は常に削減


 アメリカの軍事力評価機関であるグローバル・ファイヤーパワー(Global Firepower)社が発表した最新の世界各国の軍事力比較(2019 Military Strength Ranking)によると、ランキング1位は米国、2位がロシア、3位が中国となり、我が国は昨年の8位から順位を上げて6位となりました。この比較は装備品を中心とした比較であり、実際に装備体系や作戦遂行能力で比較すれば、自衛隊のレベルはもっと上だと考えられます。

 確かに日本は世界有数の軍事大国であり、対中国やロシア相手では厳しくとも、北朝鮮や韓国には引けを取らない強い軍隊を持っているような気がします。我が国の自衛隊も自衛官も優秀なのです。

2019 Military Strength Ranking BETA

※2019 Military Strength Ranking (BETA)より

 しかし、この数字を見て安心してはいけません。実はこの数字に全く反映されていない重大な要素があるのです。それが武器・弾薬・燃料・人員といったロジスティクスの問題です。

 旧日本軍も零式艦上戦闘機など当時としては長大な飛行能力を持ち、優れた機動力を持った装備品を多く保持していました。旧軍では前線の搭乗員は交代がないため疲弊し切ったまま戦わざるを得ず、物量・要員・休養において十分な米軍機に圧倒されてしまいました。結果として優秀な装備品や訓練された優秀な人材を失い、多大な損害を出しました。

 このようにわずかしかいない人材に休養を与えず、無理な運用を続けるやり方は、現在の自衛隊にも引き継がれているように思えます。自衛隊も武器・弾薬・燃料・人材が足らない状態を長年我慢してきました。

 かつて旧日本軍は「断じて行えば鬼神も之を避く」と檄を飛ばしましたが、実際の現場では食料、弾薬、基地を構築するための資材を渇仰していました。後方支援がなければ壊滅することは明らかだったのです。根性や努力という精神論では戦争には勝てないことは前の大戦で証明されていますが、兵站や人員・後方支援を軽視する我が国の姿勢は今も変わっていません。

 あれほど手痛い敗戦を経験したにも関わらず、自衛隊に対する予算の充当は、正面装備の調達を重視せざるを得ないため、今なお弾薬・燃料や修理費等については必要最小限とされています。「そんなんじゃ、ツライ!」と思います。

 現政権になってから防衛予算は少しずつ増えてきており、銃砲弾薬類の不足については、価格も安く大量生産可能なのでかなり改善されました。しかし、問題は魚雷やミサイルなどの高額の弾薬です。以前この連載で「自衛隊員の実弾射撃訓練の回数は、クレー射撃の選手よりも少ない」という悲しい現状をレポートしたことがありますが、ミサイル攻撃や魚雷発射などの訓練についてはさらに回数が限られます。

陸上自衛隊

陸上自衛隊twitterより

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武器弾薬人員めぐる惨状

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