更新日:2023年03月20日 11:11
仕事

買わずに試供品をねだる女性客。キレられた店員の困惑

別の客に試供品を渡したシーンを目撃され…

「冬から早春にかけて、つまり季節の変わり目は肌が敏感になるため、試供品を使ってみてから決めたいというお客様が増えていました。試供品を渡したいところですが、あの女性客のことがあって渡せずにいました。  でもわざわざ、ネットではなくショップで買い物をしたいというお客様には、試供品がないのはまさにPR不足になります。どうしようかと思案しました」  そんな頃、ある30代後半の女性客が、コスメを手に取ったり棚に戻したりを繰り返していた。平原さんが「何かお困りですか」と声をかけると「迷っているんですよね」と、2つのクリームを指さした。 「どちらも使ってみたいけど、金銭的な問題があるので、1つを選びたいというのです」 モンスター客 平原さんの脳裏に、例の客が浮かんだ。だが目の前にいるお客さんに、実際に使ってもらいたいという気持ちが強くなり、試供品を取り出して「使ってみてください」と2種類を渡した。  ところが、運悪くそれを例の70代常連女性に見られてしまったのだ! 「例の客は『購入しない客に渡した。私にはくれないのに』と、また店長に直訴したんです。店長からは、『渡しちゃダメって言ってるでしょ!』と怒られてしまいました」  客とのコミュニケーションツールだった試供品を使用できず、平原さんはすっかりやる気をなくし売上も激減した。そしてクレームが影響してか次の更新はなく、契約が解除されたという。 「幸い、別の店舗と契約できたのでほっとしています。あの客のことで悩まなくてもいい。ストレスは、お肌に悪いですからね(笑)」<取材・文/夏目かをる> ― シリーズ・店員が語る困ったモンスター客 ―
コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。ブログ「恋するブログ☆~恋、のような気分で♪
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