更新日:2019年08月22日 17:22
カーライフ

あおり運転の対抗策に「高性能ドライブレコーダー」はどこまで役立つ?

4K映像で証拠動画を記録

 もうひとつ、海外クラウドファンディング「Kickstarter」からこんな製品を紹介したい。韓国のメーカーが開発した『VEZO 360』である。
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VEZO 360 ※画像は、クラウドファンディングサイト「Kickstarter」より

 一見して癖のある円盤系のドライブレコーダーだが、これは世界初の4K対応全周囲ドライブレコーダーと謳っている。衝突を感知する機能はもちろん、その際の映像が即座にスマホへ同期される機能も有している。  また、上位機種は居眠り運転防止機能も搭載されているそうだ。iPhoneの最新機種にはFace IDというものがあるが、仕組みはこれと同じ。VEZO 360のカメラがドライバーの顔を認識し、明らかに眠っているようであれば警告を発する。  だがやはり、4K録画に対応しているという点は特筆すべきだろう。映像がくっきりしているということは、周囲の車のナンバープレートもくっきり映されるということである。これがぼやけてしまっていたら、捜索も難航する。  画像の鮮明さは、やはり重要な要素だということを教えてくれる製品だ。

自家用車のドラレコ義務化は間近?

 上記2製品の性能を認識した上で、「全周囲ドラレコは買いか?」という話をしよう。  確かに、360度を隙なく撮影できるカメラは非常に頼もしい。しかし、特に後面の映像となるとどうしても車外の景色が小さく不鮮明になりがちだ。  従って、一番確実なのは後面にも別のカメラを設置するという手段である。  今まで書いたことを覆してしまうようだが、現状の技術レベルで最も盤石な安全策は1台の全周囲ドライブレコーダーに頼ることではなく、車内に複数台のドライブレコーダーを取り付けることだ。その上で、データをひとつのフォルダに保存できる製品が望ましいだろう。  また、しばしば噂されるのが「自家用車のドラレコ義務化」である。2016年1月、長野県北佐久郡軽井沢町で発生した観光バスの事故は、大学生を含む15名が犠牲になった。このバスはドライブレコーダーを搭載しておらず、車両視点からの映像は存在しない。これをきっかけに、国は貸し切りバスのドラレコ義務化へ踏み切ったのだ。  今でも時折、投資家の間で国内のドライブレコーダー製造企業の株価が話題に上がる。もし一般車両にもドライブレコーダーが義務付けられたら、これらの企業への発注も相次ぐだろう。それを目論んだ投資も行われているのだ。いずれにせよ、ドライブレコーダーは今や必要不可欠なカー用品と言えるだろう。<文/澤田真一>
ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー
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