とはいえ、ここまでの話を聞いて、生方さんは相当ケチで“付き合いたくないタイプ”と思われる人もいるかもしれない。実は筆者と生方さんは7～8年の付き合いになるが、そう感じたことは一度もない。ユーモアがあり、必要なものにはお金を惜しまない。趣味の海外旅行も頻繁に行っている。 　以前、食事をご馳走してもらった時のことだ。 「ケチじゃないんですね？」 「普段、嵐さんにはお世話になっているし、このぐらいは当然ですよ」 　筆者の問いに、素っ気なく返す生方さん。その際、彼は支払いに現金は使わない。全てクレジットカードである。 　それはポイントが付くからだ。カード会社によって特典は異なるが、仮に1％が還元されるとする。現金で100万円を使えばそれで終わりで無くなるが、カードを使えば1万円が付くので、カネがカネを生んでいることになる。生方さんの場合はマイルと連携しているので、そのおかげで世界3周分のマイルが貯まったそう。 　クレジットカードで支払うメリットはポイントだけではない。 「明細書が送られてくるじゃないですか。それを見れば自分が何にお金を使ったのか見直せるし、そこで無駄なものを徹底的に考えることができるのです」 　生方さんは現在、投資家、執筆業、セミナーなどを開き、定期的に海外旅行にも出かけている。誰もが羨む生活をしているが、そこまで徹底するからこそ、高卒で学歴もコネもなく資産ゼロの状態から億万長者になれたのだと、脱帽するばかりだ。＜取材・文／嵐よういち＞旅行作家、旅行ジャーナリスト。著書の『ブラックロード』シリーズは10冊を数える。近著に『ウクライナに行ってきました ロシア周辺国をめぐる旅』（彩図社）がある。人生哲学「楽しくなければ人生じゃない」