更新日:2023年03月28日 09:39
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外国人客に困るホテルスタッフ「夜のお店の案内を頼まれて…」

ホテルマン

深夜トラブルや無茶な要求もある

 ほとんどの客が寝静まる夜中1時頃。この時間帯は(暇になるので)二人体制なのだが、一人が休憩に入れば、もう一人で業務をこなすことになる。そんなときにトラブルが起きればたまったものではない。  中近東からの6人グループがチェックイン。だが、ここで問題が発生した。某ホテル予約サイトでは「現地払い」と書いてあるのにも関わらず、代表者の男が「もうすでに支払っている」と言い張ったのだ。坂本さんと口論が始まった。  予約サイトの運営会社にも確認の電話をしたが、彼らは「書面で見ないと信用しない」と主張する。それがスマホに届いてやっと納得したようだが、正直勘弁してほしいと思ったそうだ。  また、坂本さんが「こんなことばかりだと、本当に辞めたくなる」と嘆いてしまうような要求もあるそうだ。 「南アジアの人に多いのですが……真面目そうなのに『夜のいい店はどこだ?』と聞いてくるムッツリ客。当たり前ですけど、ホテルのスタッフは基本的に風俗の斡旋などをしてはいけません。問題が起こった場合、責任が取れないからです」  繁華街では、ぼったくりや支払いを巡る金銭トラブルなどもありえるだろう。坂本さんはこんなとき、「勝手に調べてください」と告げる。  ある日、メガネをかけたムッツリ男がしつこく夜の店を聞いてきた。ネットで数店舗を調べたらしいが、「勝手に自分で電話してくれ」とあしらう。その晩、男はひとりで出かけて行った。  夜11時過ぎ、男が戻ってきた。かなり怒った表情をしている。きっと良くなかったか、最低の扱いをされたのかもしれない。大丈夫かな、と心配していると、坂本さんと目が合った。すると、満面の笑みを浮かべてこう言った。 「吉原、最高だったよ」 <取材・文/浜カツトシ>
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