スポーツ

当日券も期待大!何でもいいから東京五輪を見たい人にオススメの競技は?

期待通り。観衆はフモフモ編集長ただ一人!

 最寄りのバス亭を降りたときから響いてくる「バーン!」「バーン!」という音。一日中コレを鳴らされたらたまらんという気もしますが、付近には数軒の民家が点在するくらいで文句を言ってくる人もいなそう。コンビニやらスーパーは見当たりませんが銃砲店は営業しているあたり、いかにも射撃の街という感じです。  たどりついた射撃場。まずはクラブハウスで大会情報などを探ります。屋外では鉄砲の煙、屋内にはタバコの煙。コンドームの自販機みたいな小さな自販機で「ハイライト」「ピース」「セブンスター」といった濃いめのニコチンが販売される世界観。併設された食堂では鉄砲の用具と羊羹が並んで売っていたりするなど、クラブハウスは全体的に混沌としています。  壁に張り出された模造紙にはマジックで手書きされた出場選手一覧と現時点での得点が記されています。「絶対に出場選手だろ」という見た目のオヤジたちが相互に休憩しながら書き込んでいく手書きの表は、「田中さんハタチ!」などという隠語で20点を書き込んでいく独特の作法も。オフィシャルとかジャッジとかドーピングとか、そういうものが存在する気配はまったくありません。 「あれ、もしかして完全にハズレか……?」  雰囲気としては「大会」というよりは「コンペ」。出場選手一覧を見れば、確かに国体上位者など関東でも名うての射手が出場してはいますが、クラブハウスに漂う空気は「オヤジたちの手作りゴルフコンペ」そのもの。もちろん観衆など誰もいません。競技を見にきたのは僕だけで、あとは「参加しているオヤジ」と「オヤジに連れられてきた奥さん」がいるだけ。どうりで「当日参加」とかわけのわからんことを言っていたわけだ……。

クラブハウスでは熊と鹿が元気にお出迎え(※死んでるけど)

狩猟の道を切り開く専門誌とやらも好評発売中!

 クレー射撃はその名のとおり、粘土(クレー)でできた素焼きの皿を散弾銃で撃つ種目。そもそもが狩猟ですので、撃つ対象は野鳥をイメージしており、的となるクレーには鳩の絵が描いてあったりもするのだとか。的の中心を狙って撃つライフル種目やピストル種目とは違って、正確に1点を狙う能力よりも、素早く構えて的をとらえる反応力のようなものがカギとなります。  クレー射撃には大きくわけて「トラップ」と「スキート」の2種類の種目が存在します。トラップはテレビなどでもよく見るタイプのもので「遠くに逃げていくクレーに2発までの弾丸を発射し、当てたら1点」というもの。1ラウンドあたり25枚のクレーが選手の15メートル先にある発射台から、左・右・中央の方向にランダムに発射され、選手はそれを素早く察知して撃ちます。  一方「スキート」は競技場の左右に2台ある発射台から、2枚あるいは1枚のクレーが一定の方向に放たれます。選手は位置をズラした1番から8番までの射台に位置取り、さまざまな角度からクレーを撃っていきます。トラップと違ってクレーが飛ぶ方向は一定ですが、選手自身の位置取りが大きく変わるので、さまざまな角度への射撃、その正確さが問われる種目です。
次のページ right-delta
競技としては見方を変えれば…
1
2
3
おすすめ記事