中日の“お前”騒動で話題の応援歌。各球団ヒット応援歌の意外なトリビア
中日ドラゴンズの与田剛監督が何気なく指摘したチーム応援曲『サウスポー』の“お前”という歌詞。これを球団が問題視した騒ぎは、ネットなどで一気に拡大。いまだにくすぶり続けているようだ。
略称は『燃えドラ』。アニソンの帝王・水木一郎が高らかに歌い上げていることで中日ファンのみならず、広くプロ野球ファンに知れ渡っている中日ドラゴンズの応援歌『燃えよドラゴンズ!』。その歌詞の内容が主に打順を追いながら選手の名前が入るスタイルであるため、時代時代で新しいバージョンがリリースされている(最新版は『燃えよドラゴンズ! 2019 令和の激励』7月20日発売)。
そんな『燃えドラ』が初めて世に出たのは1974年のこと。なんと歌唱者は坂東英二であった。坂東といえば若い世代的にはタレントというイメージしかないかもしれないが、れっきとした元・中日OBで現役時代には主にリリーフで活躍した。そのスター選手が引退後にリリースした曲ということも手伝って曲は即座に大評判に。さらにこの年、中日が巨人のV10を阻止し、20年ぶりの優勝を果たしたこともあり、いちプロ野球球団の曲としては異例の40万枚を超える大ヒットを記録したのだった。
阪神タイガースの球団歌としてプロ野球ファンのみならず、広く知られている『六甲おろし』。まず、知って驚くのが『六甲おろし』は曲の通称であることだろう。作詞・佐藤惣之助、作曲・古関裕而によるこの曲はもともと1936年に『大阪タイガースの歌』という表題で発表された、現存する日本プロ野球12球団の球団歌の中で最古の曲である。
その後、’61年に現在の球団名に変更されたと同時に改題された。正式な曲名は実は『阪神タイガースの歌』なのである。そしてこの『六甲おろし』と阪神の宿敵である読売ジャイアンツの球団歌『闘魂こめて』も曲の通称であり、正式な曲名は『巨人軍の歌(闘魂こめて)』。球団歌としては’63年から使われ続けている3代目である。
しかもさらにビックリなのはこの両曲の作曲家が同じ古関裕而だということ。この古関、ほかにも初代『巨人軍の歌(野球の王者)』(’39~’49年)や中日ドラゴンズの初代球団歌『ドラゴンズの歌(青雲高く)』(’50~’77年)も手掛けていて、後年には勲三等瑞宝賞も受賞した偉大な人物。当時は人気作曲家なのであった。
この騒動で注目された「応援歌」だが、今回はプロ野球球団の応援歌や球団歌にまつわるアレコレをお届けしたい。まずは騒ぎの発端となった中日球団のネタから。
球団応援歌としては異例の大ヒットを記録した名曲
仰天!『六甲おろし』と『闘魂こめて』作曲者は同一人物だった
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