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怒号と絶叫が飛びかった「足立区青井」の一夜/清野とおる×パリッコ

やはり、そういう“磁場”があるのか?

青井

“全員悪人”のアウトレイジ状態

青井

もはや収集のつかない状況に!

青井

ものすごいタイミングで出てきた「タイ風さつまあげ」

青井

喧嘩に飽きて寝てしまったデニムシャツのおじさん

 野球帽のおじさんがこちらを心配し、「悪いな~、まぁ飲んでくれよ」と、自分のボトルの焼酎をドボンドボン我々のコップに注いでくれる。ふと見ると清野さんの前には、焼酎ストレートと成り果てた”元チューハイ”が置いてあった。 清野:ハァ~……どうしてこういうことになるんですかね? これ、ヘタしたら赤羽以上ですよ。 パリ:それは、やっぱり清野さんにそういう磁場があるからなんじゃないですかね。この前、清野さんが僕の地元の練馬区に飲みに来てくれた時、普段はな~んにも起こらない平和な練馬の居酒屋で、隣に座ってたおじさん、おもらししながらラーメンを一気してたじゃないですか(笑)。さっき女将さんも「普段はこういう店じゃないのよ」って言ってたし。 清野:パリッコさんが街の人たちとグルになって、俺にドッキリ仕掛けたりしてないですよね(笑)。

最後に耳にした「この日一番の絶叫」とは…

 店内には相変わらず怒声が飛び交っている。そんな中、全ての原因を作った緑のおじさんの、この日一番の絶叫を我々は確かに聞いた。 「てめぇ、今度うちの犬を焼いて食ってやるなんて言ってたらしいな!!」 パリ:……。 清野:……。 パリ:帰りますか……。 清野:帰りましょう……。
青井

最後は機嫌を直し、なぜか清野さんのことを「おとっつぁん」と呼び慕うようになった緑のおじさん

青井

「また来てね」

青井

「おとっつぁん、絶対また来てくれよ~!」とっくに終電を逃し、やむなくタクシーに乗り込む我々を見送ってくれた緑のおじさん

 以上で、青井ですごした衝撃の夜のレポートを終える。青井という、今まで全く知らなかった街が、もう一生忘れられない街になっている。  やっぱり街、そして酒場には、魅力が溢れている。そして、清野さんは、やっぱりすごい。  ※お店の名誉のために補足しますが、女将さんいわく「今までこんなことは一度もない」そう。普段は愉快な常連さんが集まる和やかなお店なのでご安心を。 <文・写真/パリッコ> 【清野とおる】 漫画家。1998年デビュー。2008年から連載を始めたノンフィクション漫画『東京都北区赤羽』『ウヒョッ! 東京都北区赤羽』シリーズが大ヒット。現在は『東京ウォーカー』(KADOKAWA)にて「東京怪奇酒」を連載中。『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』『ゴハンスキー』など著書多数

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