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やたらと美女が多い街?清野とおる×パリッコが「葛飾区金町」を歩く

清野 2019年1月、東京都の北端にある赤羽という地を舞台とした壮大なるサーガ「東京都北区赤羽」シリーズを完結させた漫画家、清野とおる。  もはや赤羽という街に選ばれ、目に見えない力によって作品を描かされたと言っても過言ではない氏の、執筆期間中の街との「チャンネル」の合いっぷりはすさまじく、一歩家を出れば常に異常な事件に巻き込まれ、関わる魑魅魍魎たる街人の数も日々増える一方。  作品の完結という人生な大きな節目を迎えた今、切に感じるのは、少しの間赤羽の街と距離を置くことの必要性だそうだ。  そこで、氏が赤羽の連載を始める前からの飲み仲間であり、いまやすっかり「酒」に取り込まれつつあるライター、パリッコと、地名に「赤」以外の色が付く街へ繰り出し、見知らぬ店から店へとふらり飲み歩き、魂のリフレッシュを図ろう!  そしてあわよくば、新たなる新天地を見つけてしまおう! というのが、これから始まる本連載の趣旨です。

清野とおる、10年ぶりの葛飾区金町へ

 実はこの企画のプロトタイプとなる連載は、パリッコが監修を務める『酒場人』という雑誌で、以前に3回ほど行われたことがある。これまでに訪れたのは「白山」「青井」「目黒」。  どの街でも非常に濃密な夜を過ごしたが、久々の復活、派手にいきたいところ。  そこで関東近圏の地図をくまなく眺めていたところ、「ここだ!」と目にとまったのが、東京都葛飾区にある「金町」。金色とは、新たなる門出にぴったりにもほどがある。  すぐに清野氏に提案してみると、「金町! 貸本漫画家の池川伸治先生(※)の住んでた街で大変思い出深い街ですよ!」との返答が。これはもう、行くしかない! ※【池川伸治】1960年代を中心に活躍した怪奇貸本漫画家。作品数は、優に100を超える。一度見たら脳裏から離れぬ奇抜で妖艶な絵柄と、予想不可能なストーリー展開が、読者の脳と心をツンツン刺激する。今でも熱狂的ファンが多く、単行本も高値で取引されている。
金町

あざといくらい「金町」っぽかった、JR金町駅前

青春を語る上で赤羽の次に欠かせない街

パリッコ:今回、金町を選んだのは完全なる気まぐれだったんですが、池川伸治先生といえば、清野さんが大尊敬している貸本漫画界の巨匠ですよね。単行本もたぶん日本一持っているという。2011年に亡くなられてしまいましたが、僕も昔、清野さんの家で一度だけ会わせてもらったことがありました。 清野とおる(以下、清野):そうなんですよ。その池川先生が住まれていたのが金町で、パリッコさんから地名を聞いた瞬間、一気に当時の思い出が押し寄せてきました。
池川

清野氏提供、池川伸治先生の蔵書写真(一部)

池川

1冊としてさらっと読み流せるタイトルなし!

パリッコ:ずいぶん親交が深かったんですね。 清野:ありがたいことに。最初は、たまたま知り合った池川先生の関係者から連絡先を伺ってファンレターを出したんです。そうしたら2か月後くらいに「金町住んでるからおいでよ」ってご本人から電話がかかってきて。そりゃあ仰天しましたよ! で、すぐ駆けつけたと。15年くらい前の話ですね。 パリッコ:その時はどういう感じで飲んだんですか? 清野:いつも1軒目は池川先生の自宅で飲むんです。奥さんも交えて3人で。「食べて食べて~、若いんだからホラ、飲んで飲んで~」って、奥さんがたくさん料理をこしらえてくれて。満腹になった頃に池川先生が「じゃあ外に繰り出そうか」って。 パリッコ:珍しいコース。 清野:で、ご自宅の近くの、行きつけだというスナックに連れていってもらいました。なんていう店だったかな……。 パリッコ:初日からどっぷりテリトリーの最深部コースですね(笑)。 清野:最後に来たのは、池川先生と、郷力也先生と駅前のチェーン店で飲んだ時かな。 パリッコ:最後の時のメンツ濃すぎ! それにしても、清野さんにとってそんなに大切な街だったとは。 清野:青春を語る上では赤羽の次に欠かせない街かもしれません。 パリッコ:久々に訪れた印象はどうです? 清野:駅前に高層マンションが建ってて面食らいましたけど、少し歩いてみたら当時と何も変わってなくてホッとしましたね。歩いてる人たちの温度も当時のまま。
清野

あの「鉄球」は一体何だったのか? 改めて調べてみたところ、かつて空き地にあった三菱製紙中川工場で使われていた「蒸し釜」らしいです。工場跡には現在、東京理科大学が建っており、キャンパス内にはなんと、あの「鉄球」がオブジェとして遺されているようです。そんなのもう、見に行くしかないですよね(清野)

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乾杯は、なぜか酒屋の脇のゴミ置場から…
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清野とおる、金町再訪記念『酒場人』プレゼント企画】 「清野とおる×パリッコの飲みに行こうよ!赤じゃない街にさ」連載スタートを記念して、かつて、本企画が掲載されていた雑誌『酒場人 vol.1~3』を10名様に贈呈。 応募方法は、Twitterで「清野とおる担当連合(@oko_aka)」をフォローして、記事を読んだ感想、2人に訪問してほしい赤以外の街を「#赤以外」とつけて、ツイート! 7月28日までに投稿してくれた人の中から、当選者には「清野とおる担当連合」からダイレクトメッセージ(DM)をお送りします。
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