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チケットを狙ってみたい穴場?パラ版バレーボールの知られざる魅力

バレーの代わりではなく、バレー族の別種目

 さらに、スパイクの際など、両足とも自由であればついつい足にチカラが入って臀部が浮いてしまいそうな場面でも、切断している側の臀部は当然浮きづらくなっており、持てる全力を注ぎ込んでも反則になりづらいというメリットも。ほかのパラリンピック競技でも「不自由による有利・不利がない」という場面はまま見られますが、「不自由なほうがむしろ有利」と言えそうな競技性は珍しく、面白いバランスです。

不自由なほうが動きやすそう

「バレーボールが見られなかったときに、バレー気分を味わえるだろうか?」みたいな気持ちでの物見遊山でしたが、総じて言うと「バレーの代わりではなく、バレー族の別種目」というのが実感。確かにやっていることはほとんど同じなのですが、不自由になっただけの同じもの、ではありません。不自由さに配慮するなかで別個の競技性を獲得し、垂直よりも水平の動きに、ボールの速さよりも人間の早さに、より比重を傾けたバレーボール。  競技会場もオリンピックのバレーボールは有明アリーナで、シッティングバレーは幕張メッセと別会場ですし、それぞれを別のものとして楽しむのがよさそうです。インドアのバレーなのかビーチバレーなのかシッティングバレーなのかという検討が、テニスなのか卓球なのかバドミントンなのかの検討に相当する……そんな感じで好みのものに注目していくといいのではないでしょうか。  日本代表を複数抱え、この大会を男女とも制した千葉パイレーツが幕張メッセのある千葉県のチームだというのは、本番に向けて人気が高まりそうで不安もありますが、1万人収容のAホールならさすがに大丈夫でしょう。バレーっぽいヤツのなかで「テンポが速いのを見たい」「サイドアウトの応酬よりラリーの応酬が見たい」「高さが最重要でないのを見たい」なんて向きの方には、五輪・パラリンピックという垣根をとっぱらって選択肢に入れていただくとよさそうです。

2019年の夏がこの感じで、2020年の夏に1万席あるなら入れるのは間違いないでしょうし!

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