仕事

あなたの会社は“泥船”かも…判断ポイントは決算書が教えてくれる

 副業、転職、早期退職、定年の70歳引き上げなどで多様化するサラリーマン人生だが、多くの一般的な会社員は「今いる会社で定年まで働き続けたい」というのが本音。だが、本当に今の会社で70歳まで安泰な人生を送れるのか。新たな時代の企業の見分け方を伝授する。 働き続けていい会社

決算書から読み解く働き続けていい会社の見分け方

 待遇や職場環境が理想的でも、その母体に働き続ける価値がなければ、泥船に乗っているのに等しい。そこで、その判断ポイントを税理士の大久保圭太氏に聞いた。 「借入金(借金)より現預金(キャッシュ)が多い状態、これが財務的に健全な会社です。そのうえで、突発的なトラブルに耐えうる体力が残っているかを判断します。まず、キャッシュは“緊急支払い能力”を示す指標でもあるので、最低でも月商と同額以上、理想は月商の3か月分です。次いで、銀行から融資を受けられるかをチェックします。融資額の上限は売り上げの半分が一般的。その金額と長期借入金を比較して余力が残っていれば、不測の事態が生じても次の一手を打てる企業です」  どんなに利益を上げても本業で稼ぐ力がなければ本末転倒である。 「本業のみで稼いだ利益は営業利益として計上されます。この営業利益が売上高に占める割合が“営業利益率(営業利益÷売上高×100)”で、企業の稼ぐ力です。3期分を見て、この数字が8~10%前後で推移していれば、稼ぐ力のある企業と判断できます」  株主ではなく、従業員に目を向けた事業を行っているかも会社の価値を測る重要な指標と言える。 「特に日本は、株主を優先とした事業を行っている企業が多いのが特徴です。ただ、米国主要企業の経営者団体が、株主至上主義に警鐘を鳴らしたことからわかるように、当期純利益より配当金の多い株主優先の企業は、将来、企業価値を下げる可能性が高いのです」  数字は嘘をつかない。まずは沈まぬ船を探し当てたい。

<決算書の項目はココを見ろ!>

▼長期+短期借入金<現預金 赤字でも資金ショートしなければ会社は倒産しないし、突発的なトラブルに対処できる ▼売上高×1/2=長期借入金 「売上高の半分以上の借入金があると銀行からの融資が厳しくなる恐れがある」(大久保氏) ▼営業利益率=8~10% 営業利益は本業で稼いだ額。売上高に占める割合を示す営業利益率から稼ぐ力を判断可能 ▼配当金<当期純利益 組織が社員寄りかを判断。「これが逆だと、余剰金を配当金に回している可能性がある」 【税理士 大久保圭太氏】 Colorz国際税理士法人代表。これまで累計1000社以上の財務戦略を立案。著書に『財務諸表は三角でわかる』(ダイヤモンド社)など
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