更新日:2023年04月25日 00:08
仕事

早期退職は失敗だった…退職金600万円の上乗せが、転職3年でチャラに

 副業、転職、早期退職、定年の70歳引き上げなどで多様化するサラリーマン人生だが、多くの平凡な会社員は「今いる会社で定年まで働き続けたい」というのが本音。だが、本当に今の会社で70歳まで安泰な人生を送れるのか。今回は辞めて損した人の実録。失敗した人の実体験から学ぶべし!
働き続けていい会社

水原修治さん(仮名・55歳)

業界分析を怠った結果、勇み足の早期退職を激しく後悔する羽目に

▼水原修治さん(仮名・55歳)食品加工会社 「47歳のとき、25年間勤めた会社を早期退職しました。自己都合退職より600万円上乗せの2000万円の退職金を選んだわけですが、今では後悔しかありません」  そう嘆く元中堅精密機器メーカー社員の水原修治さん(仮名・55歳)だが、決して退職金に目がくらんだわけではない。 「毎年ホテルで開いていた本社の忘年会を社内で行うようになったり、1泊の出張費が5000~1万円単位で減額になるなど露骨な経費削減に危機感を覚えたからです。また、同年代やひとつ上の世代のエース級社員が次々と辞めていたのも不安を感じました」  退職後は知人のツテを頼り、食品加工会社にすぐ転職できたが3年前に合併。別の企業グループの傘下に入って賃金体系が見直され、転職前630万円あった年収は430万円に。しかも、年下上司との折り合いも悪いという。  一方、元勤務先は不採算部門の閉鎖などでスリム化を図り、主力事業に集中させた結果、業績がV字回復したそうだ。 「元勤務先の主力事業はもともと医療機器。不採算部門さえ切り捨てれば、安定した成長が見込める業界でした。  一方、いま勤めている食品加工会社で主に扱っているのは、消費が停滞している内食(家庭内での調理)頼みの商品。海外での売り上げもあまり期待できず、ジリ貧の分野に感じます。もっと業界の安定性や将来性を研究するべきでしたね」  転職によって、年収は200万円ダウンしたことで、早期退職による600万円の上乗せ分は、3年で帳消しになってしまった。  会社を辞めるか否かの見極めには、業界分析が不可欠ということか。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
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