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「お菓子がないから」母親と妹に暴力をふるった27歳男性。女性にばかり手をあげる心の闇とは

「なぜ女性にばかり暴力を?」法廷で問われると声はさらに小さくなり

女性 文章だけで状況を追うと、被告人の感情制御や行動は非常に凶悪で短絡的と感じます。しかしびっくりするのが、被告人席に座る引田氏は小綺麗で大人しそうで、暴力的な姿は想像できないほどの男性なのです。  証言台に立ち、ポツリポツリと話し始める被告人。その声は消え入りそうに小さく、傍聴人たちも一様に「え?」と耳を近づけたり席を移動したりするほどです。あげく裁判長や検察官にも「もう少し大きな声で」と何回も注意されるものの、それでも声は大きくなりません。  こんな大人しそうな人が? そう思い、彼のバックグラウンドを見ていくと、どうやら幼少から自己肯定感がとても低く、極端に人の目が気になるという性格のようです。もしかしたら、そういった外から受けるストレスを内側に溜め込み、親しい人に暴力として爆発させてしまったのかもしれません。  前職の離職理由は、年齢が離れているなどの理由で周りから変な目で見られているのではないかと不安になり退職。前々職の父親の会社も、社長の息子という立場にやりにくさを感じて退職したといい、自意識過剰ぶりがうかがえます。  とはいえ、それが暴行してもよい理由にはなりません。ましてや無関係で無抵抗な妹に危害を加えるなんて、やはり“クズ”。  暴力をふるった理由を問われると「一緒にいる時間が多かったので……」と話しますが、「じゃあなぜ、父親や弟には振るわないんですか?」と突っ込まれると、「わかりません」と、小さい声がさらに小さくなっていきます。  悪いのは彼。それは間違いないものの、ただ怒りをセーブできずに暴力に走っただけではなさそうで、元カノ、母親、そして妹と女性にばかり手をあげる彼の本音や心の闇は、法廷では深く語られることはありませんでした。

家庭内暴力は繰り返す場合が多い。だからこそ適切なケアを

 罪状は暴行罪。判決は懲役10ヶ月、執行猶予3年で幕を閉じました。  裁判長は判決を言い渡す際「なぜこういう事を繰り返してしまうのか、突き詰めてください」と話し、自分を振り返り、暴力を繰り返してはいけないと諭します。ただこういった自分より弱き者への暴力は心の病にも近く、甘えや失敗という言葉で片付けるのは危険です。一人で克服するのも困難な部分があります。  被告人は現在再就職先を探しているそうですが、この事件をきっかけに家族は今もバラバラです(母親と妹だけが一緒に暮らし、被告人は現在父親と住んでいる)。  自分の拳により離れ離れになった家族に対して、今何を思うのか。その小さい声からは聞こえてきません。彼が再就職と合わせ、その心の幼さと向き合い、適切なケアを受け、家族がまた1つになることを祈るばかりです。 <文/おおしまりえ>水商売やプロ雀士、素人モデルなどで、のべ1万人以上の男性を接客。現在は雑食系恋愛ジャーナリストとして年間100本以上恋愛コラムを執筆中。ブログ
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