“元ヤンキー”幼すぎるオレオレ詐欺の実行犯に、弁護士がキレた瞬間
高齢者を狙った振り込み詐欺事件。「オレオレ!オレだけど~」というフレーズで息子を装うオレオレ詐欺などから始まり、現在では様々な詐欺に発展しています。
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被告人:玉川さとし(仮名・21歳)
罪状:詐欺罪
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そもそも「オレオレ詐欺」と一言で言っても、その集団の規模や手口は様々です。過去何回か振込詐欺事件の傍聴をしましたが、比較的受け子(お金を直接受け取る係)や出し子を担当するのは、仕組みすら良くわかっていない人や、前科もなく本当にお金に困りやってしまったというタイプが多いのが特長です。
今回傍聴した被告人の玉川は、掛け子のリーダー的存在だったそうです。もともとヤンキー上がりで、友達の絡みから現在の詐欺集団に属するようになった被告人。出し子からスタートし掛け子に出世した、いわばオレオレ詐欺のエリートです。
若干21歳でそんな華々しい(?)成果をおさめた被告人ですが、強気なのは仲間内だけらしい。被告人への質問を始めると……。
まずは、元々被告人の友人であり同じ詐欺グループに属していた男性、葛西さん(仮名・21歳)の証人尋問から始まります。オレオレ詐欺などの組織犯罪は複数人が関わっているため、どうしても事実確認が長引く傾向があります。
どちらもまだ高校生か? と見間違うほどの幼さがありますが、それでも尋問に応じる葛西さんの姿勢は、それなりに落ち着いており、腹をくくった印象が伺えます。
そんな中、葛西さんの尋問が終わり、いよいよ被告人質問へと移っていきます。しかしここで、玉川は悪あがきをし始めます。
なんと全ての質問に「えーっと…覚えていません」「分からないですね」「どうだったかな…」と、シラを切り始めたのです。
これでは傍聴のしがいがない……ではなく、裁判は進みません。言葉を選びながら周りの大人(被告人も大人ですが)が質問を続けますが、誠意ある回答をしない被告人。オーディエンス含め、空気が悪くなってきたところで、しびれを切らした弁護士が口を開きます。
「いい加減にしなさいよ!」
今回の裁判傍聴はオレオレ詐欺。息子と名乗り騙すくらいですから、おそらく若い人が行う犯罪だろうと予想していました。実際掛け子(電話をかけて相手を騙す係)と出し子(現金を引き出す係)を兼任していた被告人裁判を傍聴すると、見えてきたのは絵に書いたような未熟さでした。
オレオレ詐欺はどのように行われるのか?
「覚えていません」と質問に一切答えず
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株式会社フミニティ代表取締役。恋愛ジャーナリスト・キャリアコンサルタント。「働き方と愛し方を知る者は豊かな人生を送ることができる」をモットーに、働き方と恋愛を主なテーマに発信を行う。また、企業向けのマーケティング支援も得意とする。anan、女性自身、現代ビジネスオンラインなどで執筆多数。公式HP「コラムニストおおしまりえオフィシャルサイト」。Twitter:@utena0518
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