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災害で停電した時の対応を東京電力に聞いた。ブレーカーは落とす?オール電化は危ない?

オール電化ってリスクだらけなのでは?

 また、今回の大規模停電で「オール電化にしてる家は大変だろうな」という声も聞かれた。 オール電化 多くの新技術は、その登場の際に「完全無欠」のように謳われる。1980年代の終わりから、クリーンで安全という旗印のもとに全国的に広まった「オール電化」もその一つだ。しかし、水道・ガス・電気と3種類のライフラインを利用している家庭より、リスクが分散されていないため、停電した際に一層大きな不便に陥ることが想定される。  その点について、オール電化が広まり始めた1990年代に阪神淡路大震災に見舞われた、関西電力ホールディング株式会社に取材した。 ――今回の台風で停電被害が多くありました。オール電化はリスクが高いのではありませんか? 担当者:私どもとしては、オール電化はリスクが高いと一概には言えないと考えております。まずひとつに、エコキュートや電気給湯器をご利用の家庭にはタンクが設置されておりますので、万が一水道が止まった際でも、オール電化の家はそのタンクの水が非常用として利用できるためです。  また、ガスや水道と合わせて使っていると、リスクが分散されているように感じられるかもしれませんが、現在のガス機器の多くは点火や制御に電気を使っていたり、水道でもマンションの二階以上に供給するためのポンプが電気で動いている場合が多いため、停電になってしまうとそれらは利用できなくなります。 ――ほかに、メリットになる部分はあるのですか? 担当者:手前味噌で恐縮ですが、阪神淡路大震災や東日本大震災でも、電気は水道やガスより早く復旧していますので、そうした部分が強みかと思います。 ――では、オール電化の家庭が個人でできる準備や対策はありますか? 担当者:停電に備え、懐中電灯などを用意していただくことや、避難の際はブレーカーを落としていただくなど、通常のご家庭と同じ備えをしていただければ大丈夫です。 ==================  これら踏まえると、オール電化いかんにかかわらず、どの家庭でも万全の準備と被災した際にも慌てない、こうした基礎知識が必要となることがわかった。  災害時、藁にもすがる思いでネットを調べると、誤った情報によって、逆に危険な判断を下してしまうこともある。非常持ち出し袋などでの「物」の備えも大切だが、こうした「知識」を備えておくことも、万が一の際にはとても役立つはずである。今後起きる災害時に、何かの一助になればと願ってやまない。<取材・文/Mr.tsubaking>
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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