災害で停電した時の対応を東京電力に聞いた。ブレーカーは落とす?オール電化は危ない?
9月に日本に上陸し、千葉県を中心に甚大な被害をもたらした台風15号と、その傷に塩を塗るように日本を縦断していった台風19号。ふたつの台風の死者は合わせて100人近くに登る見通しで、河川の氾濫や浸水の被害も各地で相次いだ。
また、この影響で100万戸以上で停電となり不便と不安を強いられた人も多かったはず。実際に17時間、自宅が停電になったという筆者の知人は、スマホやパソコンのバッテリーが気になる中、ネットで停電の対策や情報を慌てて調べたと話す。
話を聞いたのは、東京電力ホールディングス株式会社の広報担当。
――停電したら「ブレーカーを落としておいたほうがいい」「落とさなくていい」と、どちらの情報もありますが、東京電力としてはどのようにアナウンスしていますか?
担当者:停電しただけという条件では、ブレーカーを落とす必要はありません。アナウンスしていますのは、避難が必要になった場合には、落としていただくようにということです。その際は、家屋の倒壊などの危険がある状況であれば避難を最優先させてください。
――よく言われる、通電火災を防止するためでしょうか?
担当者:そうですね。大規模な停電は台風の場合であれば、飛来物などで私どもの施設になんらかの損傷が起きた場合に起こります。その損傷が改善されれば、随時、電気を供給しています。こちらは自動的に送られるために、家電製品が浸水していた場合に漏電して火災につながる場合がありますので、避難の際にはブレーカーを落としていただくようにお願いしております。
――コンセントをすべて抜くという情報もあるようですが。
担当者:ブレーカーを落としておけば、そちらのご家庭には電気がいきませんので、その場合はコンセントを抜いておく必要はありません。
――停電から復旧する際、まわりの家には電気が来ているのに自分のところだけ電気がつかないといったようなこともあったようです。その場合にはどうしたらいいんでしょうか。
担当者:まずは、ブレーカーの状態をご確認ください。そちらに問題がなければ私どもへご連絡いただくようお願いします。一戸建ての場合であれば、大きな電線には電気が来ていても、そこから個別の家庭に電気を送る「引き込み線」が切れてしまっている場合などがあります。またマンションなど集合住宅でも各家庭までの導線で、なんらかの問題が起きている可能性があります。
――ブレーカーをすべて落としている状態で、停電が復旧した際にはどうしたらいいですか?
担当者:まず一度、大きなものも小さなものもすべてのブレーカーが落ちているかご確認ください。落ちていなければ一度すべてのブレーカーを落としていただきます。そこから、まず大きなブレーカーをあげます。そのあとに、個別の小さなブレーカーを一つずつあげてください。万が一、あげてもすぐに落ちてしまうブレーカーがあったら、そこから先の配線のなかで問題が起こっていますので、私どもにご連絡ください。その際も、問題なくブレーカーがあげられた部分は、ご利用いただいて構いません。
――こうしたことが起こって慌てる前に、備えておけることはありますか?
担当者:一般的に言われていることですが、懐中電灯やラジオなどをご自宅に備えておいていただくことは必要かと思います。
しかし、そこに転がるのは個人アカウントから発信されたソース不明の情報がほとんどで「避けるべきこと/やるべきこと」が錯綜し、混乱したそうだ。そこで今回は、東京電力に停電時の対策について、「本当のところどうなのか!?」を直接きいてみた。◆当社サービスエリア内停電軒数(16日18時)
— 東京電力ホールディングス 株式会社 (@OfficialTEPCO) 2019年10月16日
全域 約900軒
(神奈川 約900軒)
引き続き、鋭意復旧に努めてまいります。
↓最新の停電情報はこちらから↓https://t.co/xhQyR7YnFo
停電時、ブレーカーは落とさなくてよい?
1
2
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
記事一覧へ
記事一覧へ
【関連キーワードから記事を探す】
災害・停電発生時の「スマホ再設定」のコツ、無駄な電力消費を抑えたい
1月の電気料金が10倍に!? 新電力会社と契約で驚きの請求書
災害で停電した時の対応を東京電力に聞いた。ブレーカーは落とす?オール電化は危ない?
台風被害が深刻な武蔵小杉のタワマン。資産価値下落は本当か?
災害時の停電に強い味方となる「乾電池充電グッズ」を紹介
台風被害がはらむ「意外なリスク」。短期間で5歳以上の老化に繋がることも
台風シーズン到来、あなたの家は大丈夫? ヤバイ家がわかるチェックポイント
首都圏での水害に「強いエリア」と「弱いエリア」。ハザードマップには盲点も
森田県知事の“なんもしない”政治スタイル。登庁して3分で帰ることも…
災害で停電した時の対応を東京電力に聞いた。ブレーカーは落とす?オール電化は危ない?
台風15号で“被害額1000万円”の静岡市40代夫妻「報道されない災害の辛さ」
災害で停電した時の対応を東京電力に聞いた。ブレーカーは落とす?オール電化は危ない?
台風15号の被災地に行って感じた「不謹慎」という言葉の意味/歌舞伎町・女社長の決意
台風15号で“自分は社畜”と痛感した人たち「漠然と出社しなきゃと思っていた」
台風でも出社した人たちの顛末「タクシーで来いと言われたのに経費は…」
災害で停電した時の対応を東京電力に聞いた。ブレーカーは落とす?オール電化は危ない?
台風19号で夫婦喧嘩…災害は離婚の危機になりうるのか?
台風被害が深刻な武蔵小杉のタワマン。資産価値下落は本当か?
「#台風なのに出社させた企業」がSNSでトレンド入り。コンビニ各社は「店ごとに判断」としていたが…
台風シーズン到来、あなたの家は大丈夫? ヤバイ家がわかるチェックポイント
災害で停電した時の対応を東京電力に聞いた。ブレーカーは落とす?オール電化は危ない?
台風被害が深刻な武蔵小杉のタワマン。資産価値下落は本当か?
台風後、高速道路の通行止めがすぐ解除されないのはなぜ?
台風の間、海外にいたら現在進行形で日本に帰れない…旅行会社の定刻フライトOKは要注意
この記者は、他にもこんな記事を書いています