更新日:2023年04月25日 00:30
カーライフ

ホンダの次期フィットは何顔? 初代はリス、2代目はキツネ…

 いよいよ一般公開が始まった東京モーターショー。今回は輸入車ブランドの出展が前回よりさらに減り、寂しさは禁じ得ない。  そんななか、最大の注目は、初公開されたホンダの次期フィットだ。なにせフィットと言えば、国内販売台数でカローラを抜き、首位に立ったこともある超量販モデル(02年)。広い室内を持ち、燃費にも優れた実用的コンパクトカーとして、不動のベストセラーカーの地位にある。

東京モーターショーで公開された次期フィット

 ところがこの次期フィット、今回の発表前に電動パーキングブレーキの不具合が判明し、発売が来年2月に延期されてしまった。  現行フィットも、発売直後からリコールが相次ぎ、そのせいで販売が思ったように伸びなかったけど、新型は発表前から発売延期とは……。なんだか悪い予感がするが、発売後に不具合が発見されるよりはよかったとも言えるでしょう。

アクアよりもカーマニアに評価が高いフィット。その理由は?

 リコールが相次いで今ひとつ売れ行きが悪かった現行フィットだが、中身は徐々に熟成され、2年前のマイナーチェンジ以降は、ハンドリングや乗り心地がぐっと改善。カーマニア的には、ライバルのトヨタ・アクアよりも、明らかにいいクルマになったと見ておりました。  また、フィットのハイブリッドモデルは、ATがいわゆる「段付き」の7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)なのも、うれしいポイントだった。  プリウスやアクアなどトヨタのハイブリッドは、電気式無段変速なので「段」がない。段がないと、アクセルをグッと踏み込んでも、フニャ~と無段階でギアが低くなるので、ダイレクト感がない。フツーの人にはどーでもいいことでしょうが、カーマニア的には、そこがトヨタハイブリッドシステム最大の弱点! カーマニアってのはそういうところにこだわるんだよ!  そんななかフィットハイブリッドのATは7段!

現行フィット

 しかし、その7段DCTがリコールを起こしまくって、フィットの販売の足を引っ張ったんだけど、カーマニアとしては、ひそかにフィットハイブリッドを応援しておったのです。  ただ、現行フィットには、致命的な弱点があった。それは、ゴチャゴチャといろんな要素を詰め込みすぎた煩雑なデザインだ。なかでも、サイドの意味不明に跳ね上がるエッジや、リヤのメッキ加飾はとっても残念でした。中身はいいけどデザインがイヤ! これじゃダメダメダメ! と無意味に悶えておりました。  つまり、次期フィット最大の課題はデザイン! フィットに限らず近年のホンダは、デザインで不発が続いていたけれど、次期フィットはどうなのか? これがダメだと、ホンダ車はいよいよ軽しか買うモンがなくなっちゃう! と、勝手に危機感を抱いておった次第です。
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フィットの課題、デザインは?
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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