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神戸・教師イジメ事件にみるバカ教師が横行する理由はカルト宗教化した教育の現場にあった

 神戸市立東須磨小学校で起きた教師による教師のいじめ。その動画が流出されたことで、日本中の小学生を子に持つ親は呆れかえったことだろう。そこで本誌は現役の教師たちへ、教員間でのいじめやトラブルについて取材を行った。職員室の裏では一体何が起きているのだろうか。呆れた実態に迫った。
神戸市立東須磨小学校

神戸市立東須磨小学校 写真/福原一緒

神戸の教員イジメは氷山の一角だった

 神戸市立東須磨小学校の教師4人が20代の男性教師に激辛カレーを顔にぬる動画がネット上に出回ったことを発端に、「教師による教師いじめ」の実態が続々と明らかになった。激辛カレー被害に遭った20代男性教師は、弁護士を立てて警察に被害届を提出したというから、もはやいじめの域を超えた大騒動になっているのだ。 「加害者は校内で『女帝』と呼ばれる権力者だった40代女性1人と、30代男性3人の計4人。被害者は、20代男性2人、20代女性2人。加害教師たちは被害者たちの車を汚す、棒で殴る、背後から蹴る、衣服を破るなど、50以上に上るいじめ行為を主導していたもようです。しかも30代男性教師は、20代男女教師らに対して性交を強要し、その様子を画像に撮って送るよう命令していたそうですから、人権感覚の麻痺っぷりには呆れるばかりです」(全国紙関西支局社会部記者)  しかも、神戸の教育業界事情に詳しい地元紙記者によれば、この加害教師たちの狂犬ぶりは始末に負えず、あろうことか子供たちまで巻き込んでいたという。 「30代男性の加害教師は、過去に授業中に児童を突き飛ばして腕を骨折させたことも発覚しています。主犯格の女帝は、被害教師が授業を進行できないように邪魔をしろと、児童たちに呼びかけていたとのことです」  前出の地元紙記者によれば、神戸の学校でのいじめは根が深い。 「’16年に当時の中学3年生がいじめを苦に自殺した事件があり、神戸市教育委員会はいじめについて書かれた女生徒のメモ書きを隠蔽したんですよ。その問題が現在も尾を引いており、今年の春に再調査が開始され、9月30日には有識者会議の最終報告書が公表され、市教委は改革を要請されたばかりだったんです」  その直後に東須磨小の問題が起きたのだからたまらない。  市の教育委員会のある幹部は、「今度は教師か……」と絶句していたそうだ。 神戸市立東須磨小学校

教員間のトラブルは日常茶飯事

 教師の劣化の問題が取り沙汰されるようになって久しいが、神戸のような事例は、氷山の一角なのだろうか。編集部が現場の教員たちに取材したところ、東京都内の公立中学校で学年主任を務める吉沢洋さん(仮名・41歳)が答えてくれた。 「教員間のトラブルはどこの学校でもありますけど、神戸のケースほど極端な話はまずありえませんよ。普通は、ここまで発展する前に校長が止めるものです。子供や親への接し方、教員間のやりとりにまで踏み込んで叱るのが、最近の校長の通常任務ですからね。神戸の件は、前任の校長がただの悪ふざけだと判断して、見て見ぬふりをしているうちにエスカレートしたんじゃないでしょうか。こういう職員室の空気って、校長によるところが大きいんですよ」  一方、神奈川県内の公立小学校教員の野田美来さん(仮名・29歳)によれば、小さな嫌がらせは日常茶飯事だという。 「引き継ぎの連絡をわざとしなかったり、飲み会に誘わなかったり、意地が悪いことが多いんですよ。特に神経にさわるのは、よく私物がなくなることです。職員室のデスクに置いてるティッシュや文房具があまりに頻繁に消えるもんだから、誰かの仕業だろうと。いつも冷たい態度をとってくる主任の女教師の犯行じゃないかと目星をつけていたんですが、案の定、彼女が異動でいなくなったら、紛失はピタッと止まりましたね」  外部との接触が少ない閉鎖的な空間では、陰湿な人間関係が生まれがちだ。そうした空気を吹き飛ばすのが、やる気と元気にあふれた体育会系の熱血教師だが、その正義感が暴走すると始末に困ることも。東京都内の公立小学校教員の斉藤翔さん(仮名・26歳)はうんざり顔だ。 「体育会系の教師は強引なヤツが多くて、礼儀や行動にうるさいんです。たとえば、出勤が8時なのに、体育会系教師は7時半くらいに来て事務仕事をしていて、出勤時に僕が『おはようございます』と挨拶すると、『若くて経験がないんだから、少し早く来て仕事や学校に慣れたらどうだ』って返してくるんだから、朝から嫌な気分になりますよ。しかも年齢の若い僕だけをターゲットにしてネチネチ言うんですよ」
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