更新日:2019年12月06日 10:29
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閉店続くデパート業界が自滅したわけ。渋谷PARCO、銀座SIXも今は好調だが…

百貨店復活のカギは?

 かつて百貨店は庶民にとって「憧れの存在」だった。そんな古き良き百貨店を愛してやまないのが、放送作家で全国の百貨店を探訪する寺坂直毅氏だ。寺坂氏は百貨店の価値をこう語る。 「百貨店の包装紙に包まれていること自体に価値がある。それを贈られた人は『わざわざ買いに行ってくれた』と嬉しくなるじゃないですか。また、百貨店には専門知識を持っている店員がいて、商品のルーツなどを教えてくれる。僕たちは商品と同時に知識も買いに行くんです。無機質にECサイトで買うのとは違う体験ができます」  さらに寺坂氏は、これからの百貨店に重要なのは家族連れをターゲットにすることだと話す。 「家族で楽しめるのが百貨店です。買い物だけではなく、食事ができて、演劇も見られて、屋上で子供が遊べる場であるべき。人が集う文化の発信地であるべきなのです。その点、熊本の鶴屋はいまだに多くの人で賑わっています。『百貨店、衰退』と言っている人は一度見てほしいですね」  復活のカギは熊本にありか。
【小島健輔氏】 大手婦人服専門店チェーンに勤務後、小島ファッションマーケティングを設立。ファッション業界の経営戦略と現場の技術革新について提言している 【田中道昭氏】 立教大学ビジネススクール教授。三菱銀行を皮切りに、内外の金融機関で勤務。大学教授、上場企業取締役、経営コンサルタントの三足のわらじを履く 【放送作家・寺坂直毅】 『星野源のオールナイトニッポン』などを担当。著書に『胸騒ぎのデパート』(東京書籍)がある <取材・文/村田孔明・沼澤典史・野中ツトム(清談社)> ※週刊SPA!11月26日発売号より
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週刊SPA!12/3・10合併号(11/26発売)

表紙の人/ 岡村隆史

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