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日本一危険な公園に行ってきた。運動靴、ヘルメットの無料貸出まである…

普通の公園とはまったく違うカオスすぎる空間

窪地状の「楕円形のフィールド」全景

窪地状の「楕円形のフィールド」全景

実は、手前の斜面も「精緻の棟」という作品

実は、手前の斜面も「精緻の棟」という作品

 そして、建物の先の斜面を登ると、そこには「楕円形のフィールド」と呼ばれる直径100メートルはある大きなすり鉢状の盆地が広がっている。ここの斜面はかなりキツく、勢いがついたら自分で動きを止めるのは大変そうだ。実際、歩いて上り下りするだけでも結構な負担で、足元も注意書きの通り、滑りやすくなっていた。雨の日にここを歩くのは危険だろう。転倒の危険性が高いからか筆者訪問時には監視スタッフもいたほどだ。
窪地の縁の半分は遊歩道になっている

窪地の縁の半分は遊歩道になっている

 とはいえ、この窪地にも数々の建造物というか作品があり、常人の発想では間違いなく生まれないであろうカオスすぎる空間だ。こんな作品を思い描くことができるから世界的な芸術家として名を残したのだろうけど、残念ながら自分の乏しい芸術センスではここにどんな意味やメッセージが込められているのかまでは理解が及ばない。
晴れていれば濃尾平野が一望できる

晴れていれば濃尾平野が一望できる

 それでも高台になっている周囲の縁からは施設内だけでなく、養老町を含む周辺の地域まで一望でき、癒された気分になれる。ゆっくり見て回れば2~3時間は過ごせそうなので、休日にデートや家族でお出かけするのにはちょうどいいかもしれない。  その際はスニーカーなど動きやすい靴のほうがいいと思うが、前述の通り、靴やヘルメットを貸し出しているので心配は無用。訪問時にはヘルメットを着用している人は見かけなかったので、かなり目立ってしまうかもしれないが。  この養老天命反転地は、芸術作品が並ぶ屋外型の美術館に近い施設だが、博物館法で定める博物館・美術館にはあたらず、厳密にはやはり公園ということらしい。  転倒事故などの報道は確認できず、本当に“日本一危険”なのかはわからないが、そう呼ばれても不思議ではないのは事実。転ばないように気をつけなければならないが、そこを割り引いても十分楽しめる施設だ。<取材・文・撮影/高島昌俊>
フリーライター。鉄道や飛行機をはじめ、旅モノ全般に広く精通。3度の世界一周経験を持ち、これまで訪問した国は50か国以上。現在は東京と北海道で二拠点生活を送る。
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