更新日:2019年12月11日 16:13
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“日本一危険”な動物園に行ってきた。誓約書に署名しないと入れない「デンジャラスゾーン」も

 休日には大勢の家族連れで賑わう動物園。普通は子供でも楽しめるよう、安全性に配慮されているはずだが、『ノースサファリサッポロ』という動物園は“日本一危険”をウリにしているという。

動物園があるのは、野生の熊も出没する札幌郊外の山の中

 実際、Googleで《日本一危険 動物園》のワードで調べると、検索結果の上位を独占するのはここの情報ばかり。公式サイトにも「体験型ふれあい動物園」と「日本一危険な場所」という相反するコピーが同じページに載っていて判断に迷ってしまう。  これは自分の目で確かめるしかない!と思い、札幌市郊外にある同動物園に行ってみることにした。札幌駅から地下鉄南北線で終点真駒内駅まで向かい、そこから定山渓温泉行きのバスに揺られて約30分。温泉の少し手前のバス停で下車したが、あたりは山に囲まれて何もなく、「熊出没注意」の貼り紙に恐怖心を煽られる。  ノースサファリサッポロにはここから山奥へ続く細い道を入っていかなければならないが、電話をすれば迎えに来てくれる。ただし、訪れたのは夏休み期間だったこともあってかマイクロバスが定期巡回していた。  バス停から10分ほどで目的地に到着したが、駐車場はマイカーで来たお客の車で埋まっていた。日本一危険だというのに、小さな子供を連れた家族連れの姿が目立つ。怖くないのか、命知らずな親子が多いことに驚かされるばかりだ。  施設の共通入場料は、大人1500円の子供500円(冬季は大人だけ1200円。子供料金は同じ)。ビットコインでのオンライン購入もできるようだ。
ノースサファリサッポロの動物園エリア「ノースサファリ」の入口

ノースサファリサッポロの動物園エリア「ノースサファリ」の入口

 動物園は、メインとなる「ノースサファリ」とここから5分ほど歩いたところにはある「デンジャラスの森」の2か所。両方合わせてもスペースはそれほど大きくないが、ほかの動物園にはない手作り感満載の雰囲気を漂わせている。

危険な動物とも触れ合える?

筆者のズボンに噛みついてきたマーラ。でも、かわいい……

筆者のズボンに噛みついてきたマーラ。でも、かわいい……

 ただ見るだけでなく直接触れることができる動物も多く、なかには飼育スペースに入れるところもあった。ペリカンにクチバシでお尻を突かれて、マーラ(※カピパラと鹿を足して2で割ったようなかわいらしい動物。アルゼンチンの固有種)にはズボンを噛まれてしまったがこれもご愛敬。こうした“体験”ができる施設もそう多くはないはずだ。
ライオンのエサやりもここでは恐怖体験

ライオンのエサやりもここでは恐怖体験

 しかも、別料金の有料プログラムも充実。ライオンやワニ、オオトカゲをはじめ、いろんな動物のエサやり体験が可能で、なかには檻の中で凶暴な性格で知られるベンガルトラにエサやりができる危険なスペシャルプログラム(1000円)もある。
ラオウコスプレ&黒王号騎乗の案内

ラオウコスプレ&黒王号騎乗の案内

キリンやシマウマといった定番の動物もいる

キリンやシマウマといった定番の動物もいる

 ほかにもオットセイのトレーニング体験や鷹との散歩(各1000円)など、数十種類に及ぶメニューがあった。さらに変わったところでは、『北斗の拳』のラオウのコスプレをして、彼の愛馬・黒王号に似た黒毛の馬に乗って記念撮影できるものもある。インスタ映えしそうなプログラムが多すぎて迷ってしまいそうだ。
施設名の看板の縁にはKEEP OUT(立入禁止)とあるが……

施設名の看板の縁にはKEEP OUT(立入禁止)とあるが……

 ちなみに“日本一危険”というは、どうもデンジャラスの森のことらしい。先にノースサファリをひと通り見てからこちらに向かったのだが、入口にある免責事項と書かれた看板を見ると「当園は普通の動物園ではありません。危険です」とある。  動物園がそんな風に訴えてくるなんて通常ではありえないことで、確かに普通ではないようだ。中に入ると壁で囲まれた「デンジャラスゾーン」と呼ばれる隔離されたブロックがあり、どうやらここが日本一危険を謳う場所のようだ。
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看板で恐怖心を煽ってくる
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フリーライター。鉄道や飛行機をはじめ、旅モノ全般に広く精通。3度の世界一周経験を持ち、これまで訪問した国は50か国以上。現在は東京と北海道で二拠点生活を送る。

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