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老後資金800万円が消えた55歳…投資話に騙された男の試練

地道に働き、退職金を減らさないことが最大の老後資金の防衛策

 50代のお金のトラブルについて、ファイナンシャルプランナーの田中佑輝氏は実際の相談事例をもとにこう指摘する。 「50代は収入が頭打ちになり、晩婚化で子供の大学入学前に役職定年を迎えることで、結果的に40代に比べて教育費が家計を圧迫します。下の家計簿のように45歳より55歳のほうがシビアなケースは珍しくない。にもかかわらず、早期退職金などまとまったお金が入ると、堅実な性格の持ち主でも、散財癖が生じがちで、不動産や株の購入に走る50代も多い。ですが、50代での投資失敗は致命傷です」  経済コラムニストの大江英樹氏も「退職金や貯蓄で投資に踏み切るのはNG」と語る。 「老後資金を貯めるには、投資より無駄な保険を見直すこと。高額療養費制度がある日本では、医療保険ははっきり言って不要。生命保険も残された妻が2~3年後に働くことを前提にすれば、1000万円以上の死亡保障は必要ありません」  まずは投資よりも支出を減らすことが先決だ。 「『投資で儲けた』という話を聞くと焦る人もいますが、失敗する人も多い。医療費と介護費で必要な費用は合わせて800万円ほどといわれていますから、保険料の節約で浮いたお金をつみたてNISAに回せば、60歳からの20年間で800万円。老人ホームの入居資金として頼りになります」  働いて稼ぐ。それが老後の安心を得る一番の近道といえる。

【家計簿】45歳と55歳での家計の変化

▼45歳(小学生の子供2人) 収入(手取り)35万円 ※ボーナス105万円/年 支出  食費 7万円  住宅費 12万円  通信・光熱費 4万5000円  雑費 8000円  趣味・娯楽費 2万円  小遣い 3万5000円  教育費 2万5000円  保険料 1万5000円  貯金 1万2000円 支出計 35万円(±0円) ▼55歳(高校生と大学生の子供2人) 収入(手取り)38万円 ※ボーナス115万円/年 支出  食費 10万円  住宅費 12万円  通信・光熱費 4万5000円  雑費 8000円  趣味・娯楽費 2万円  小遣い 3万円  教育費(仕送り込み) 15万円  保険料 1万5000円 支出計 48万8000円(-10万円)  アラフォーで2人子供をつくった場合、役職定年前後に子供の大学進学が重なる。結果、学費で家計は大幅な赤字に転落することに。 【経済コラムニスト 大江英樹氏】 オフィス・リベルタス代表。確定拠出年金ビジネスに携わる草分け的存在。著書に『自分で年金をつくる最高の方法』(日本地域社会研究所)など
50代になる憂鬱

大江英樹氏

【ファイナンシャルプランナー 田中佑輝氏】 アルファ・ファイナンシャルプランナーズ代表取締役。実践的な資産運用に定評がある。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』(アスコム)
50代になる憂鬱

田中佑輝氏

<取材・文/週刊SPA!編集部>
―[50代になる憂鬱]―
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