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年収800万円が半減、大手から転職して大失敗した50代の“甘い読み”

―[50代になる憂鬱]―
 早期退職者募集が6年ぶりに1万人を超えるなど、過酷さを増す50代。会社からはお荷物扱いされ、妻からは熟年離婚を切り出され……そんな「50代の試練」に直面する先輩たちから、“憂鬱な50代”にならないための生き方を学び取る! 今回はサラリーマンが「転職失敗」した事例。専門家にリスクと対策を聞いてみた。
50代になる憂鬱

転職失敗し年収半減、再就職先で馴染めない相馬隆さん(仮名・52歳)

院卒、大手企業でも会社の外に出れば年収300万円の価値

 早期退職者募集が加速しつつある中、今の職場で上がり目がなければ、退職してセカンドキャリアをと考える人も増えるだろう。しかし、中高年の転職は予想以上に厳しい。大手メーカーに27年間勤めた相馬隆さん(仮名・52歳)は、退職して初めて自分の市場価値の低さに気づき、唖然としたという。 「MARCHの理系院卒で前職も大手ですから、それなりの待遇ですぐに再就職できると思っていました。それが、いざ転職活動してみると、エージェントから提示されたのは、中小企業で年収300万円台の案件ばかり。退職前の年収が800万円で、多少減るのは覚悟の上でしたが、まさか半分以下まで減ってしまうとは……」  独身ならばそれでも割り切れたが、相馬さんの2人の息子は私立に通う高校生と中学生。 「年収300万円台では、とても学費を払い続けられない。かといって、転校させるわけにもいかず、大学にも進学させたいので、早期退職金は老後資金どころか、ほとんどが学費に消える予定です」  転職活動が長引き、失業保険が途絶えれば、ますます苦しくなっていく。真綿で首を絞められるような不安とプレッシャーのなか、退職3か月後に年収360万円の中小企業に再就職を決めた。 「退職時に『なんとかなる』と妻に見えを切った手前、家庭での発言権はほとんどありません。以前は1000円近い定食を気にせずランチに食べていましたが、今は朝早く起きて家族の分の弁当を作るのが自分の日課」  昼休みは自分で作った弁当を公園で食べるという相馬さん。 「職場にはまだ馴染めないし、意外と同じような境遇の人が多いんですよ」
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相馬さんが自分で作った弁当

 たまに外で飲めば、つぶれるまで飲んでしまうのだとか。 「転職先では“落ちぶれたおっさん”扱いされているようで……」

転職失敗の反省点

 相馬さんは反省点として「楽観的な憶測と割増退職金だけでは老後までは食いつなげない」をあげる。 「小遣いも5万円からほぼゼロにカットされたので、もっぱら晩酌は自宅で発泡酒です。本当に、なぜ早期退職前に転職先の目途を立てておかなかったのか? 目先の割増退職金と根拠のない自信で目が眩んだ自分を、『甘くないぞ』と叱ってやりたいです」  計画性のない転職は厳禁だ。
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「転職失敗」の回避法は…
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