仕事

50代で独立したら年収半減。飲み屋界隈で培った人脈は1年ともたずに崩れ落ち…

―[50代になる憂鬱]―
 早期退職者募集が6年ぶりに1万人を超えるなど、過酷さを増す50代。会社からはお荷物扱いされ……そんな「50代の試練」に直面する先輩たちから、“憂鬱な50代”にならないための生き方を学び取る! 今回は50代で独立に失敗した実例と、人事のスペシャリストたちに50代会社員の職場での試練「3つのリスク」を聞いた。

人望があると勘違い。人も仕事も離れて、心も生活も荒む一方

 高校卒業後、地元の工務店に就職した三浦義孝さん(仮名・58歳)は、20代の頃にバブルの甘い汁も吸い、40代の頃には年収600万円ほど。だが、’08年のリーマンショックを境に会社が傾きつつあったことで、親方として50歳を前に独立することを決めた。
50代になる憂鬱

三浦義孝さん(仮名・58歳)

「やっぱり男なら、人生に一度はひと旗上げたいじゃないですか。それに、地元では若い頃から飲み歩いていて、“よっちゃん”と言えば、大体の店で顔が利いた。それなりに人脈がある自信があったから、独立してもやっていけるだろうと思ったんです」  確かに独立後は祝儀的に仕事が集まった。だが、1年とたたないうちに、“よっちゃん”に仕事を頼む人は現れなくなった。若い職人も離れていき、収入は300万円ほどまで激減。今では元の親方の下請け仕事をしながら食いつないでいる。そんな三浦さんは、ある日、衝撃的な話を耳にする。 「若い職人が話しているのを聞いたんです。『三浦さんって自分では人気者だと思ってるみたいだけど、実際は厄介者扱いだったみたい。この前、飲みにいったら《あー、いたね、そんな人》ってくらいのもんでびびった(笑)』って。収入も減って飲み歩けなくなったし、自分は用済みってことなんですよ……」  唯一の救いは独身だったこと。なんとか生活はできているが、実は人望がなかった事実に心が折れ、休日はパチンコ屋に入り浸る自堕落な日々を送っている。 「できるだけギャンブル性の低い機種で、ただの暇つぶしです。飲み歩いていた頃が懐かしい」  一人寂しい夜は、漫画喫茶に行って漫画を読んだりネット動画を見たり。 「家にいると、時々気が狂いそうになる」  そんな状況で追い打ちをかけるように昨年、健康診断で糖尿病が発覚した。 「誰も生活を律してくれる人がいないので、独立する前より20㎏ほど太ってしまい、まあ当然でしょうね。もうこのまま人生を手仕舞いしてしまいたいくらいです」  そういう三浦さんの背中は、その大柄な体格よりもずっと小さく見えた。 <三浦さんの反省点> 本当の人望か、ただの上辺の関係か、自分の人徳や信用を見誤ってしまった
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職場の試練に立ち向かう処方箋
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