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出世できなかった50代、会社に居残るも腫れ物扱いで地獄…

―[50代になる憂鬱]―
 早期退職者募集が6年ぶりに1万人を超えるなど、過酷さを増す50代。会社からはお荷物扱いされ、妻からは熟年離婚を切り出され……そんな「50代の試練」に直面する先輩たちから、“憂鬱な50代”にならないための生き方を学び取る! 今回はサラリーマンに待ち受ける「居残り左遷」の事例。専門家にリスクと対策を聞いてみた。
50代になる憂鬱

「居残り左遷」で苦しむ林田徹さん(仮名・54歳)

出世への未練で左遷、パワハラ地獄へと突き落とされる

 会社員になったからには、大半の人が憧れる出世の道。流通系企業に勤める林田徹さん(仮名・54歳)も、かつては出世を目指す企業戦士の一人だった。 「30代で若手管理職に抜擢されたときは嬉しかったですね。しかし、激務に加えて、年上部下との微妙な関係性や同僚からの嫉妬など、まったく仕事に面白みを感じなくなり、40代の頃には何のために働いているのかわからなくなっていました。それでも心を無にして、『もっと出世すれば、状況は一変するはず』だと、自分に言い聞かせて仕事に打ち込みました」  だが、そこまで身を粉にした林田さんを待っていたのは非情な運命。ある日、過労で倒れると、療養という名目で左遷部署に飛ばされ、出世の道が完全に閉ざれることに。しかも、追い打ちをかける地獄の日々がここから始まった。 「異動先の上司が、同僚がいる前で平気で怒鳴りつけるようなパワハラ体質の人だったんです。若いうちなら血気盛んな上司にも耐えられましたが、50代の自分には屈辱でしかなく、『もう死にたい』と思い悩む日々でした」
50代になる憂鬱

パワハラ上司と顔を合わせるのが苦痛で、なるべく職場にいたくないという林田さん。気づけば漫画喫茶の会員証が膨大な数に……

 左遷部署に飛ばされたことで、年収600万円が500万円ほどに。3人の子供はいずれも学生で、進学させてやりたい親心と上司へのストレスの間で、夜もなかなか寝つけないように。  パワハラ上司と顔を合わせるのが苦痛で、なるべく職場にいたくない林田さん。漫画喫茶に逃げ込む日々、気づけば会員証が膨大な数になっていたという。 「それで限界を感じて、人事部に駆け込んだんです。さすがに口を利いてくれたのか、上司とは直接的に関わらずに済むようになりました。ただ、職場では腫れ物に触るような扱いになり、居場所はありません。転職先を探しても警備員や清掃員しか見つかりませんし、再び心を無にして、定年まで何とか乗り切るしかありません」  5人家族を支える林田さん。 「上司との関係を真剣に悩んでいたとき、『私がパートするから大丈夫』という妻の言葉に救われました」  左遷、パワハラと居残り地獄を味わい尽くしてもなお、林田さんが定年まで会社にしがみつける保証はまったくない。
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「居残り左遷」のリスク
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