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友達の奥さんとも不倫する…フランス映画から学ぶモテ理論/藤沢数希

―[モテる映画工学]―
~映画『冬時間のパリ』~
モテる映画工学

©CG CINEMA/ARTE FRANCE CINEMA/VORTEX SUTRA/PLAYTIME

フランス特有の「エスプリ」(=機知)に富んだ会話から学ぶモテ理論

 ハリウッド映画はわかりやすいストーリーで、見るからに悪役が出てきてCGのミサイルが飛び交い、美女との恋愛というサイドストーリーもあるが、フランス映画には起承転結もなければオチもない。フランス映画を楽しむには、そのエスプリ(=フランス語で精神、機知のような意味)を理解しなければいけない。 『冬時間のパリ』では、ブログやSNSがはやり紙の本が売れずに低迷する出版業界で、編集者と作家、彼らの妻たち、そして知的で魅力的な女性たちの人生が冬のパリを舞台に絡み合っていく。  登場人物たちが言葉を仕事にしている人たちなので、エスプリの利いた会話が次々と展開される。フランスというお国柄、彼らは自分の部下とも寝るし、友達の奥さんとも不倫するのだ。そこに、モテるためのエスプリがあった。  恋愛のスタイルには二つあり、恋愛工学ではロングボールとスモールボールと呼んでいる。もともとは野球用語で、ロングボールはホームランなどの長打で点を取るスタイル、スモールボールはバントや犠打などで小刻みに進塁して1点を取りにいくスタイルのことだ。  恋愛では、ナンパなどで連絡先を交換したら、食事に誘い一気にベッドまで持ち込もうとする、ダメなら潔く損切り、という単純な戦略がロングボール。  会社の同僚や知り合いと小まめに連絡を取り合い、軽い友達関係を維持しつつ、チャンスがあれば関係を狙うのがスモールボールだ。そして、この映画にはスモールボールの名手たちが登場する。フランス特有のエスプリの利いた会話は、大いに学びになりそうだ。
―[モテる映画工学]―
理論物理学研究者、外資系金融機関を経て、作家。メルマガ「週刊金融日記」は読者数1万人、ツイッターのフォロワーは18万人を超える。最新刊『損する結婚 儲かる離婚』が発売中

冬時間のパリ
監督/オリビエ・アサイヤス 配給/トランスフォーマー 出演/ギョーム・カネ、ジュリエット・ビノシュほか 12月20日より公開
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