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尾崎豊で人生が激変した人たち。結婚、ひきこもりからの“卒業”も…

<尾崎の歌で”脱引きこもり”。歌に生きる希望を見いだす>

尾崎豊で人生を激変させた生粋ファンたち

 元ひきこもりの栗山大輝さん(22)は、不登校に悩む中学時代に尾崎の歌に触れて、生きる希望を見いだした。「きっかけは不登校時代にテレビで観た尾崎のドキュメンタリー番組。まるで明日死ぬかのような勢いで歌っている姿に衝撃を受けました。『十七歳の地図』の“何のために生きてるのか解らなくなるよ”は当時の自分のこと。尾崎はギリギリで頑張っている。そこに励まされた」と共感。尾崎の『存在』を聴きながら受験勉強に励み「高校では皆勤賞をもらいました」と脱ひきこもりで人生を大きく前進させた。

<三世代で尾崎ファン。お腹の中で、尾崎の曲を聴いていた>

 森田真美さん(55)、その息子・宇都裕也さん(26)& 美玖さん(25)夫婦、孫の陽暉くん(4)、月乃ちゃん(2)は3世代で尾崎ファン。真美さんは「世の中の大人がちゃんとしているとは思えず、常に社会に対して腹を立てていた19歳のとき、尾崎のアルバム『回帰線』に出会いました。共感しすぎるくらいに共感をして、自分の考え方や信念は変えないぞ!と誓いました。はたから見ると単なるファンだけれど、自分としてはファンではなくて同志という気持ち」と思い入れは強い。  真美さんは1992年4月30日に護国寺で行われた尾崎の追悼式にも参列。お腹の中には裕也さんがいた。裕也さんは「母の影響で生まれる前から尾崎の曲が日常にあって、ずっと流れていた」というが、本格的に尾崎に開眼したのは両親の離婚を経験した11歳の頃。「子供心に両親の離婚という状況は壮絶でしたが、逆にすべての人を受け入れて愛してみたいという気持ちが生まれました。それを歌っていたのが尾崎でした。亡くなってこの世にはいないはずなのに、僕の思いに共感してくれて驚いた。尾崎の歌は“もうダメだ!”と崩れそうになる時に心に染みわたる」と実感を込める。  その妻・美玖さんは裕也さんを通して尾崎ファンに。裕也さんがそうだったように「2人の子供(陽暉くん・月乃ちゃん)の尾崎との出会いは、夫と同じようにお腹の中です。夫が尾崎の歌を聴いたり歌ったりするので、子供たちも自然と覚えています」と尾崎のバトンが新しい世代にも受け継がれている。

<尾崎豊の”魂”は、時代を超えて紡がれている>

映画『尾崎豊を探して』ポスター (C)2019「尾崎豊を探して」製作委員会

 尾崎婚の浩さんも、リアルタイムではない新たな世代に尾崎の歌が受け継がれていく様を肌で感じることがあるという。「先日も歌碑を一人で訪れる女子高生の姿がありました。誕生日や命日にも毎年高校生くらいの若い人たちの姿がある。尾崎さんの音楽は思春期の年代や、大人になっても悩みもがいて生きる人たちにも響く。それはこの先も普遍的に変わらないはずです」と確信。時代が令和に変わっても、尾崎は迷い傷ついた人々に手を差し伸べる。
<取材・構成:石井隼人>
1984年生まれ、映画好きフリーライター!インタビュー、取材、レビュー、オフィシャルカメラマン、オフィシャルライター
…なんでもやるのでいつでもどこでもなんでもお仕事の御用命お待ちしております!映画パンフレットも結構書いてます!買ってください!
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映画『尾崎豊を探して』
12月27日(金)よりTOHOシネマズ 新宿にて先行公開
20年1月3日(金)~1月16日(木)2週間限定全国公開!
配給:東京テアトル/ライブ・ビューイング・ジャパン

公式HP:https://ozakisagashite.jp/

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