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瀬戸内寂聴さん、66歳年下の女性秘書を救った言葉「私なんてもっとコテンパン」

瀬戸内寂聴さんに、10年間秘書として仕えた瀬尾まなほさん

瀬戸内寂聴さんに、10年間秘書として仕えた瀬尾まなほさん

瀬戸内寂聴さんに、10年間秘書として仕えた瀬尾まなほさん

 100歳を目前に昨秋急逝した僧侶で作家の瀬戸内寂聴さんの姿を17年間追ったドキュメンタリー映画『瀬戸内寂聴 99年生きて思うこと』が、5月27日から公開している。波乱万丈な人生を歩み、99年の生涯を閉じた瀬戸内さんに10年間秘書として仕えたのが、“66歳年下の美人秘書”としてメディアでも注目を集めた瀬尾まなほさん。  瀬戸内さんとの日々を発信したSNSで若いファン層も獲得し、晩年の瀬戸内さんの活動を支えた功労者の一人だ。しかし“66歳年下の美人秘書”という言葉が独り歩きして、瀬尾さんはネット上での誹謗中傷に苦しめられることになる。「秘書のくせにでしゃばるな」「黒子でいろ」。匿名の者たちが発する言葉に打ちのめされた瀬尾さんを救ったもの。それは瀬戸内さんの言葉だった。

誹謗中傷で消極的になるも、瀬戸内寂聴さんの金言で救われる

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©2022「瀬戸内寂聴 99年生きて思うこと」製作委員会

 生前の瀬戸内さんと始めたSNSをきっかけに、その存在がクローズアップされた瀬尾さん。揃って出演したバラエティ番組で見せた漫才のような丁々発止のやり取りもウケて、初エッセーもベストセラーを記録。ところが同時にネット上での誹謗中傷も経験することになる。 「メディアに出たことでかなりの批判の声をいただきました。そして私自身もネット上の書き込みを気にし過ぎて病んだり、エゴサーチをして自爆をしたり。表に出ることに対して早く引っ込みたい! と消極的な気持ちになりました」と瀬尾さんは当時の心境を打ち明ける。
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©2022「瀬戸内寂聴 99年生きて思うこと」製作委員会

 そんな瀬尾さんへの誹謗中傷に対して瀬戸内さんは「その人たちがあんたの生活を養ってくれるの? あんたの税金を肩代わりしてくれるの? 私のときなんてもっとコテンパンよ! そんなの大した問題じゃない!」と一蹴。思い悩む瀬尾さんには「今チャンスがきているのだからその波に乗らないでどうするの!」とより一層背中を押し続けてくれたという。  これにより瀬尾さんは「会ったことのないような人の言葉を真に受けて傷つく必要はない。瀬戸内の言葉は私にそんなシンプルなことを教えてくれました。たとえ“黒子になれ”“引っ込んでいろ”と言われ続けても、私にはこんなに強い味方がいると実感。瀬戸内が私を認めてくれているのならばそれでいい! という境地に辿り着きました」と思考激変。  ちなみに瀬戸内さんは「SNSを面白がってはいましたが、基本的に使いこなせていなかったので誹謗中傷も意に介さないという感じでした」と、ある意味での最強の防御ができていたようだ。
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瀬戸内寂聴さんの人物像
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1984年生まれ、映画好きフリーライター!インタビュー、取材、レビュー、オフィシャルカメラマン、オフィシャルライター
…なんでもやるのでいつでもどこでもなんでもお仕事の御用命お待ちしております!映画パンフレットも結構書いてます!買ってください!

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監督:中村裕
出演:瀬戸内寂聴
プロデューサー:松浦敬 阿部毅 成瀬保則 伊豆田知子
配給:KADOKAWA 制作:スローハンド 協力:曼陀羅山 寂庵
©2022「瀬戸内寂聴 99年生きて思うこと」製作委員会
上映時間:95分

角川シネマ有楽町他、全国ロードショー

HP:https://movies.kadokawa.co.jp/jakuchomovie//

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