マイル修行を実践!効率がいいのは……
筆者も、いつか取りたいな~でもそんなに飛行機乗らないしな~、でも空港行くと行列とか居づらいカフェとかで苦痛の時間を過ごすの嫌だな~いつか取りたいな~、というスパイラルに陥って、はや10年。友人はどんどんステイタスを取得していく……。
そんななか、2019年1月にモンゴルとラスベガスに出張が決まった。ありがたいことに経費で行ける。勿論これだけでは足りないが、後は自腹でどこかに行くなどすればなんとかなるか、とマイル修行を行うことにした。ANAとJALのどちらにするかは悩んだのだが、親しい知人がJALだったので、JALにした。
最初に、JAL CLUB-Aカードに申し込む。ステイタスを取得した後に、クレジットカード審査に落ちたら目も当てられない。無事カードが届いたら、後はJAL便に乗りまくるだけ。
ちなみに、マイル修行、となっているが実際に溜めるのはFOP(FLY ON POINT)となる。ANAならプレミアムポイントと呼ばれている。マイルとは別計算のポイントで、ショッピングなどでは貯まらない。また、マイルのように使うこともできない。あくまで、1年間に利用した実績の目安となる。
2月と3月に札幌と福岡に出張で飛行機に乗ってみた。JALのサイトで最安値のチケットを買い、マイルとFOPを溜め始めたのだ。明確に航空会社を意識して選んだことはなかったので、ちょっと面白い。初回フライトの後、キャンペーンで5000FOPもらえたのはよかった。
JALカードを作ったなら、初回搭乗時に5000FOPがもらえるキャンペーンを行っていた。2020年も実施されている
このころ、マイル修行をした人のブログなどを読みあさっていたのだが、1日に6便乗ったり、東京から海外に行くのに一度沖縄に行くといった技が紹介されていた。ネタでチャレンジしようと思ったが、そのような旅行プランがあるわけもなく、当然すべて自分でチケットを取らなければならない。そうすると、うまく接続する安いチケットが見つからないのだ。JALの国内線は330日前、国際線は360日前から予約できるのに、1か月くらい前に急遽予約するようでは間に合わない。仕方なく、普通に旅行するだけで貯めることにした。
海外旅行でJAL以外の航空会社を利用する場合でも、アライアンスを組んでいる会社同士ならマイルが付与されるという。JALならワンワールド、ANAならスターアライアンス、といった具合だ。しかし、唯一直行便のあるMIATモンゴル航空はどちらにも参加していないとのこと。当然、FOPも付かない。慌てて、ラスベガス出張の航空会社を確認したところ、ワンワールドに加盟しているアメリカン航空だったのでOKだった。帰国してからJALのウェブサイトから、「フライトマイル積算手続き」を行い、5000FOP以上をゲットする。
JALの公式アプリで獲得したマイルやFOPを確認できる
帰国後、沖縄2連発と松山へ取材出張。もちろん、すべてJALでチケットを取った。獲得したFOPはJALのアプリやウェブサイトから確認できる。そこで気がついたのだが、同じ距離を飛んでも取得できるFOPに差があるのだ。例えば、沖縄の行きは1672FOPなのに、帰りに2072FOPが付いたりしているのだ。調べたところ、購入するチケットの種類で「搭乗ボーナス FLY ON ポイント」の400FOPが得られるというのだ。そして、筆者が安かろうと選んでいた「先特割引き」や「ウルトラ先特」ではボーナスが付かないのだ。
この時点で8回のフライトで各400FOPを逃してしまった。6月上旬の時点で2万3000FOPということは、まだ目標の半分にも達していない。頼みの綱だった2回の海外旅行もたいして加算されなかった。ここは一発大きく稼がなければならないという言い訳で、夢だったスコットランドのウイスキー蒸留所巡りの旅に出る。FOPがたくさんもらえるプレミアムエコノミーを選択し、6月9日に出発した。往復40万円だったが、一発で1万3000以上のFOPを獲得できた。
「搭乗ボーナス FLY ON ポイント」が付かないチケットを買いまくっていた!
とは言えまだまだ足りず。しかし、1人だけ旅行しまくっていたので家族の攻撃を受け、台湾旅行へ。それでも、台湾では沖縄往復よりもFOPが少ない。そこで10月にはシンガポールのカジノへ1人で突撃。FOPを稼ぐために、プレミアムエコノミーを利用する。予定を空けるために仕事を詰め込んだため、ホテルやチケットを買うのに時間がかけられず、JALのツアーで申し込んだ。
実は、ここでもミスをやらかしていた。帰国後に確認すると、片道分のFOPしか加算されていない。実は、ツアーで申し込むと獲得マイルは半分になってしまうそうで、それに合わせてFOPも半分になってしまうとのこと。
シンガポールでクリアしたかったのに当てが外れ、11月下旬。焦ってきたのでまずは札幌の余市蒸留所に行き、大阪取材も編集部に頼んで飛行機で行く。どの便も400FOPの搭乗ボーナスをゲットできるチケットを選んだ。それでもごくわずか足りなかったので、なんと12月25日クリスマスに1人で鹿児島のウイスキー蒸留所へ向かった。
これでなんとか5万FOPをクリア。年が明けて、サファイアのカードが届いた。JGCカードへの切り替えを申請し、今後は各種サービスを満喫できるようになった。
2020年に入り、サファイアステイタスが付与された
獲得FOPでチケット代を割ったものをFOP単価と呼ぶようなので、計算したところ19.5円だった。世の中の修行僧は半分の10円どころか8円とか7円でクリアしているそう。FOPを稼ぎつつ、少しでも安いチケットを探す、という手間を惜しんだばかりに、馬鹿みたいに高いコストをかけてしまった。これから修行する人は、数か月先の予定をあらかじめ組み、お得なチケットを確保することをオススメする。
まあ、紆余曲折はあったものの、これから1年間はサファイア、その後もサファイア相当のサービスを受けられるのだから大満足だ。今後は、行きたいと思ったところには躊躇なく旅行しようと思う。
お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に
原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、
原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。
YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる