Amazonでマスクが超高額出品。新型コロナウイルス流行の裏で…
新型コロナウイルスの患者数が、日毎に増加している。その影響は、ネット通販の世界にも当然及んでいる。Amazonではマスクが常識外の高額で販売され、消費者を大いに呆れさせている。が、今や街中の薬局に行ってもマスクは品切れ。病院ですらも医療用マスクの在庫がなくなってきている。
Amazonが「闇市」と化している、と知人から相談された。その知人は忙しい男で、普段はあらゆる買い物をネット通販に頼っている。Amazonでマスクを買おうと思ったが、彼は驚愕した。60枚入りの徳用箱詰めマスクに8000円という値がついている。
それだけなら実はまだいいほうで、中には7枚×5セットで7000円というのもある。Amazonは一体どうなっているんだ、というのが知人の嘆きである。
これに類似したことは、以前からしばしば発生している。マスクに限らず、何かしらの生活必需品が品薄になった時は多くの人がAmazonに頼ろうとする。即ち、そうした大衆心理を狙っている業者がいるということだ。
数年前にバターが品薄になった時も、Amazonでは定価の何倍もの値段でバターが売られるという現象が起こった。なぜそのようなことがあるかというと、結局は商品を買う人がいるからだ。現代社会では、常にミニバブルが発生している。『鬼滅の刃』が大人気作品になると、その関連グッズが買い占められてネットオークションで転売される。東宝制作のミュージカル『レ・ミゼラブル』のキャストがテレビ番組で取り沙汰されると、帝劇公演のチケットがあっという間になくなりオンライン市場に流れる。
転売業者は、常にミニバブルの発生にアンテナを張っているのだ。
ヤフオクでは、さらに驚くべき光景が繰り広げられている。「マスク」と検索して出てくるのは、いずれも1000枚単位の出品。即決価格が10万円を超えるものも珍しくない。新型肺炎の騒動がなければ、絶対に売れないであろう値段設定の商品だ。
これらの「転売マスク」に怒りを向けるのは簡単だが、現実問題としてマスクは実店舗から姿を消している。もしも今以上に新型肺炎の日本国内患者数が増加したら、嫌でも法外な値のマスクを買わざるを得なくなるのでは――。
ここで筆者は、この記事の結論を書いてしまうとする。「高値のついたマスクを買う必要はない」と。「品薄商品の転売」とは、言い換えれば「投機」である。投機はそもそもが長続きしない行いだ。生産各社も、指をくわえて状況を眺めているわけではない。既にマスクの生産計画を見直し、需要に応じた増産へ歩みを踏み出している。流通に関わる業者も、それに歩調を合わせるに違いない。
転売業者撲滅のための有効策、それは正規価格の商品が出回るまで消費者が「待つ」ことである。政府がマスクの増産を呼びかけ、メーカー側も生産ラインを増やすなど急いでいるところだ。
もはや、ネット通販やオークションサイトで高額のマスクを買うしかないのか。そう考える人がいるのなら、ちょっと待ってほしい。
マスクを高値で売ろうとする業者が登場
数千枚単位のマスクが高値で取引
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