更新日:2023年05月23日 17:02
スポーツ

「すべてが甘かった」ラグビー女子セブンズ日本代表、中村知春の後悔と決意

ラグビーW杯を見て感じたこと

 メンバーを見て、気になるのはリオ五輪で4位と躍進した男子セブンズは当時のメンバーが多く残っているのに対し、女子は両大会でリオに出場したメンバーが中村1人しか残っていない点である。 「女子の他の国を見ても長く同じメンバーでやっている国は多く、継続して強化することも重要かなとは思います。ただ、やっぱり結果が出ていなかったので……。それでも、五輪に出るチームで日本は平均年齢がいちばん若いはず。若手にはスピードやパワーなど飛び道具を持った選手もいます。フィジカルも全員ではないですが、ワールドレベルで戦えるくらいにはなってきた。日本らしいプレーができれば、きっと結果もついてくる。一段飛びにいかないことはわかっていますが、未来は明るいと信じています」  「〇〇ショック」。かつてサクラセブンズの選手たちは、自衛隊への体験入隊、11部練習など、あまりにツラかった合宿のことを勝浦ショック、菅平ショックなどと、〇〇に合宿地を入れて名付けていた。ボールを一切に使わずに、合宿中ひたすら砂浜を走ったこともあった。  しかし、東京五輪に向け、「〇〇ショック」という言葉は消えつつある。 「当時は、ただただキツかったですから。4年前はアスリートじゃなかった選手をアスリートにしていた段階。ようやくアスリートになってきて、やるべきことが効率化されたということじゃないですか。だから、若手にツラいなんて言わせません(笑)」  昨年のラグビーW杯。中村は最も印象に残ったシーンとして、プール突破をかけたスコットランド戦で、プロップの稲垣啓太がトライをした際に、その稲垣の控えだった中島イシレリがベンチ前で喜んでいたシーンを挙げた。 「イシレリ選手がベンチ前でピョンピョン飛び跳ねていて(笑)。サブの選手も同じ気持ちで戦っている姿を見て、だから強いんだなと思いました。やっぱり、普通は試合に出られなかった選手は、心のどこかで『負けちまえ』とか思ってしまう部分もあると思うんです。ただ、それを飛び越してギリギリでメンバーに入れなかった選手を含め、チームに関わる全員が勝利を願い、どうすれば強くなれるかを考えているように見えた。そんなチームの在り方に感動しましたし、私たちにとってもそれは理想形ですね」
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東京五輪、目標はメダル獲得
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