「すべてが甘かった」ラグビー女子セブンズ日本代表、中村知春の後悔と決意

<第5回>中村知春(ラグビーセブンズ女子日本代表「サクラセブンズ」)
「いま思えば青かったし、いろいろなものに踊らされていたんだと思います。主将だった私自身にも責任がありますし、個々のフィジカルの弱さなどに目をつぶってそれを組織で補ってメダルを獲ろうという考えが甘かった。フィジカルが弱いチームがコンタクトスポーツで勝てるわけがないじゃないですか(苦笑)。男子のみなさんの活躍を見ても、個々のレベルが上がっていましたし、そこに尽きますよね」
そして、中村はこうも続けた。
「『金メダルを獲る』という目標が、目的化してしまっていたんです。本来は金メダルが目標で、その先にフィジカルの弱い日本の女子ラグビーも世界で戦えることを示したり、日本の女の子たちに夢や希望を与えることが目的であるべきだったのに、そこをはき違えてしまった。昨年の(15人制男子の)ラグビーW杯を振り返っても選手のみなさんの目的はラグビーをメジャーにすることやラグビーの精神性を理解してもらうことで、その結果が史上初のベスト8だったんだと思います。あれを見せられて改めて腑に落ちました(苦笑)」
根拠のない自信とともに挑んだリオ五輪。淡い期待は、はかなく消えた。4年後の東京への切り替えは簡単ではなかったはずだ。
「すぐにはできなかったですね。正直、最近まで引きずっていました。きっとメンバーに入れなかった選手たちは、『私たちが行った方がよかったんじゃない?』と思ったでしょうし、もういろいろあるわけで(笑)。ただ、死ぬほどキツい練習をしてきたのにラグビーをやめたら、それまでの自分をすべて否定する感じがして。もちろん、リオまで年間250日近くも合宿が続いていたので、体はボロボロでした。だから、1度体を休め、リセットしてから東京を目指そうと。最初は意地でしたが、続けているうちにラグビーがまた楽しくなってきました」
東京五輪に向けて強化を進めるサクラセブンズは、アジア大会(’18年)、アジア・セブンズシリーズ(’16年、’17年、’18年、’19年)で優勝するなど確実に成長しつつある。しかし世界に目を向けると2017-18シーズンに強豪国と競えるワールドラグビー・セブンズシリーズ(12か国が出場)に優先的に参加できるコアチームから降格してしまうなど、厳しい現実もある。
いずれも招待参加した2019年12月のドバイ大会は12位、2020年2月のシドニー大会は9位と、直近の大会を振り返っても世界トップ8の壁を崩せていない。
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