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コロナ感染の温床と非難されるスポーツジム、経営者が思いを語る

中小のジムは休業するべきなのか?

 閑話休題、ジムの営業or休業について、である。政府は「不特定多数が接触するおそれが高い場所での活動を当面控えるよう」呼びかけている。これに関しては、中小のスポーツジムは当てはまらない。私は名古屋市内でキックボクシングフィットネスジムを2店舗経営している。1日の平均来館者数は、それぞれの店舗で1月は19.8人と19.9人。2月は20.1人と19.3人だった。大手のスポーツジムとは違い、1日に何百人も来るわけではないのだ。  当然経営者の私も現場に出ているので、全会員の顔と名前の判別もつく。会ったことのない会員は、まだ入会したばかりの1名のみ。中小のスポーツジムは、「不特定多数」ではなく「特定少数」なのだ。  また、「感染を避けるため」のガイドラインに含まれる、「密閉空間」での営業にはなる。しかし狭いからこその利点もある。「特定少数」だから、一人ひとりの会員に目が行き届くということだ。だから、国から休業を命令されればもちろん従うが、要請であるならば私はなんとかして営業できる方法を模索することにした。  新型コロナウイルスは、今のところ飛沫感染・接触感染だという。また、感染していても無症状の場合もあるという。だから一見健康そうでも感染者かもしれない。筆者であるこの私だって、今はいたって健康体だけれども、すでに感染者かもしれない。現段階ではそれも「ワカラナイ」から怖い。  だから互いの飛沫を抑えるために、ジム内にいる全員に対してマスクの着用を義務づけた。これで少しは感染リスクを軽減させられる。「本当に不本意ではあるのですが、1ミリでも感染リスクを抑えたいのでマスクの着用を、なにとぞよろしくお願いいたします」と全会員に低姿勢でお願いしている。

マスクのない人のために手作りマスクを

 ジムの会員は特定少数であること。ジム空間にいる全員のマスク着用。手を触れるすべての場所のこまめな消毒。手洗いの徹底。対人練習(キックボクシングジムならミット打ち、スパーリングなど)の一時休止。既存顧客とスタッフの安全性確保のため、「不特定」の人と接する体験や新規入会もすべてキャンセルに。事態が収束したあとに改めて連絡することを約束し、電話越しに1件1件頭を下げた。この状況下において店舗の営業を続けるためには、このくらい徹底すれば、感染リスクはかなり抑えられるはず、である。多分。おそらく。「ワカラナイ」から絶対安全とはいえないのが心苦しい。

ジム内全員にマスク着用を義務づけ

 しかしながら、休業することに決めたジムを否定するつもりは毛頭ない。振り返ってみれば、思い切って休業していた方が正解だったかもしれない。このウイルスの実体が、私たち一般人も政治家も専門家もみんな「ワカラナイ」のである。だから世界中で恐れられているのだ。  とはいえ1日経つごとに感染者のデータは蓄積され、1日経つごとに専門家たちの懸命な研究により、ウイルスの実体は徐々に解明されていくだろう。次第にわかってさえくれば、それがどれだけ危険なものだろうと、まだマシである。具体的な対策が取れるからだ。「ワカラナイ」ことが一番の問題なのである。  ただ、個人的には各国のデータや友人である名古屋大学教授の個人的データなどを参考にして、結果的にはそこまで恐れるものではないという判断をしている。しかし当然、かからないに越したことはないし、現状では対症療法しかないウイルスを撒き散らすようなこともしてはならない。そして何より、現状で新型コロナウイルスにかかったときの社会的ダメージは計り知れない。  営業するならば、感染の拡大防止を徹底しなければならない。会員はもちろん、私たちスタッフも全力で気をつけねばならない。たとえジム内の誰か一人が知らず知らずのうちにかかっていたとしても、互いに気をつけているので誰一人として感染しない、という状態にするよう努力している。100%防ぐことはできないが、100%に限りなく近づくように心がけている。
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利用者は「営業してくれてありがたい」
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