スポーツ

開催されれば東京五輪の新たなレガシーとなる予感。「未来標準」有明アリーナが凄かった

時代を先取りした最新鋭の設備

 「磁気ループ」と聞いてパッと何のことかわかりますでしょうか。これは補聴器をサポートする仕組みだそうで、この設備で発信する磁気を、対応する補聴器で音声信号に変えることで、雑音のないクリアな音声を聞き取ることができるようになるのだそうです。補聴器用のノイズキャンセリングみたいなものでしょうか。たとえば音楽コンサートのとき、周辺のお客さんの騒ぐ声まで補聴器で拡大されたら肝心の曲が聞こえないじゃないですか。この設備があると、聴力に難がある方も音楽コンサートを楽しめるようになる。これが当たり前になっていく、そんな未来が始まった感じがしますよね。  さらに最近話題となっている、感情を落ち着かせるための部屋「カームルーム」ももちろん設置。新国立競技場ではイスとエアコンだけがある小部屋でしたが、有明アリーナは設備もさらに充実。広さもワンルームマンションのリビングくらいあるうえに、何とソファーベッドが設置されています。座るだけでなく寝ることもできる。これは感情が落ち着きそう。

話題のカームルーム

カームルームのなかにはソファーがあって……

しかもソファーベッドなので寝ることもできる!

 さまざまなイベントで頭を悩ませてくれるトイレ問題は、「こんなにトイレの種類があったのか……!」と新発見させてくれるほどの充実ぶり。アリーナを車いす席等が取り囲んでいたように、コンコースはトイレが取り囲んでいます。トイレの輪の内側に車いす席等の輪があり、その内側に競技フロアがある。これが未来標準の「箱」の作り方なんでしょうね!

ひたすらトイレが並ぶコンコース

ひとつひとつの規模も大きく、ササッと済ませられそう!

いろいろな種類のトイレを用意しており、男女共用トイレも充実

 特にいいなーと思ったのが、何故かカーテンとイスがついている男女共用トイレ。休憩でもするのかと思いきや、「介助が必要な人向け」のトイレだそうで、男女の組み合わせでも介助が気兼ねなくでき、しかも「見たくない・見せたくない場面(今まさにウンコが下りてきてます等)」はカーテンで遮ることができるという心配り。あらかじめこうしてくれていると、利用もしやすいですよね。

介助者がカーテン越しに待てるトイレ

 もちろん、特に不自由がない人にとっても快適な環境が備えられています。座席のサイズ・間隔、傾斜などは十二分に見やすいサイトラインを確保していますし、空調もエリアごとに区切って行なっているので、音楽コンサートなどで噴き出し口の前にステージを設置しても、全体の空調が滞ったりするようなことがないとのこと。トイレの充実などもあって、見やすく、過ごしやすい箱となることでしょう。このあたりは、あとで壊す予定の有明体操競技場とはまるで違う、よく考えられた作りですね。  1964年東京五輪のレガシーである国立競技場代々木第一体育館が今もなおスポーツイベント・音楽コンサートで広く活用されるものとなったように、この先の50年は有明アリーナがその役目を担う……見た目も、中身も、レガシーにふさわしい会場でした!
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