更新日:2023年05月24日 14:39
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新型コロナで子持ちの女性フリーランサーが嘆きと怒り。休校での負担増は母親側だけ!?

 2月27日に突然発表され、世の中に大きな混乱をもたらした全国小中高校の一斉休校要請。そこでは「共働きの家では子供の面倒は誰が見るのか」という問題も当然発生。仕事を休む保護者の賃金補償制度がその後に発表されたが、対応は後手後手の印象だ。  また発表当初は、フリーランスが補償の対象外にされていたたことにも反発が発生。政府は後に支援策拡大の方針を示し、「無利子の融資」→「1日4100円の給付」と提示内容も変化してきているが、それでも金額は企業の従業員の半額以下。今も批判が続いている。  こうした状況下では、子育てをしながら働く女性のフリーランサーは特に苦労をしているのではないか……? そんな想定のもと、本記事では子持ちフリーランスの女性編集者・五十嵐清美さん(40代・仮名)、デザイナーの岡崎文さん(30代・仮名)2人にインタビュー。休校中の生活・仕事の状況を聞いた。

子供が家にいると集中できない…仕事できるのは1日2時間

 五十嵐さんと岡崎さんの住む地域では、政府の要請通りに3月2日から学校が休校中。デザイナーの岡崎さんは仕事場が自宅で、ご主人は休みの取りづらい接客業の従業員。仕事での外出もそこまで多くないため、「子供(小3の娘と小1の息子)の面倒は自分が自宅で見ている」とのこと。 「前は子供を学童に預けてたんですが、下の子が『上級生にいじめられるから辞めたい』と言い出して、昨年に辞めさせたばかりでした。休校中は朝から子供が家にいるので、仕事の時間は減りますよね。『静かにしてね』と頼んでも話しかけてくるし、『うるさい!』と叱りすぎると空気が悪くなるから、それも避けたい。食事はできるだけ私が作って一緒に食べたいし……。そうやって子供と過ごしていると、集中して仕事をできる時間は1日2時間くらいになっちゃいます」(デザイナー・岡崎さん)  子供が学校に通い、学童に預かってもらっていた時期は、午前~夕方前までの時間の多くを仕事にあてられたわけだが、休校でその大半が消えてしまったわけだ。  一方の編集者の五十嵐さんは小学校3年生の娘が1人。こちらも「3年生になると学童に同級生がいなくなるので、『行くのはもうイヤ』と辞めたところだった」とのこと。 「それで最近は『家で1人は怖いし寂しい』とも言うようになって。私の仕事は外出も多いし、どうしようかな……と悩んでいたときの新型コロナの休校だったんです。でも私は恵まれた環境で、仕事で外出するときは近所に住む妹や母、仲のいいママ友が娘を預かってくれる。逆に私が在宅のときは、妹やママ友たちの子供を預かります。旦那も1日休みの日は『今日は俺が子供と遊ぶよ』と言ってくれますね」(編集者・五十嵐さん)  なお、このように育児を分担できる環境は、「素直に話すと働くママから嫉妬されちゃうこともある」とのことで、積極的には明かさないそう。 「でも、ウチは旦那もフリーランスで出張ばかりの仕事。家事は常に私のワンオペになることがわかってたので、実家の近くにわざわざ引っ越してきたんです。場所は都心からは遠く、都内での仕事が多い私には不便な街なんですが、それを受け入れてでも人の手を借りないと、仕事と子育ての両立は無理だったんです」(編集者・五十嵐さん) 疲労 また、五十嵐さんも休校後は、自分が在宅のときは子供を見つつ仕事をしているが、「やっぱり全然集中できないです」と明かす。 「勉強をさせても『この問題がわからない』と聞いてくるし、放っておくとスマホでTikTokやYouTubeを見はじめるので、近くにいても目が離せません。どうしても仕事をしなきゃいけないときは、『話しかけるな!』オーラを全開でパソコンに向かいますけど、娘も小学3年生で『ママ、ママ』と構ってもらいたい年頃。30分くらいが限度です。子供をよく預かってくれる母も歳なので、あまり無理にお願いはできません」(編集者・五十嵐さん)  実際に休校の1週間を過ごしてみて、「私も想像以上に疲れが溜まっています」と五十嵐さんは話す。 「当初は『この先1~2週間が瀬戸際になる』という話だったのに、あまり終わりも見えないですよね。近隣でも感染者が出始めてしまいましたし、この状態がずっと続くと思うとゾッとします」(編集者・五十嵐さん)
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休校で仕事を断らなくてはいけない
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