更新日:2023年05月24日 14:39
お金

新型コロナで子持ちの女性フリーランサーが嘆きと怒り。休校での負担増は母親側だけ!?

子供のために仕事量を自主調整したら、保証はゼロかも?

 子育てをしながら働く女性のフリーランサーは、このように自分の時間や仕事環境など、様々なものを犠牲にしながら仕事と家庭の両立を続けている。そして、もとから家にいる時間が多いゆえ、今回の休校によって育児の負担も増しているわけだ。筆者は子供もいないフリーランサーで、休校による仕事への影響は特になかったので、2人の話を聞くと状況の違いに改めて驚かされ、考えさせられてしまう。 「子供を持っている女性フリーランサーは、もとから子育てに支障のない範囲で仕事を受けている人が多いです。子供を優先して仕事を減らしたり、大きな仕事を断ったりすることには、良くも悪くも慣れちゃてるんですよね。子供を生んでもバリバリ働けるのは、フリーランサーより会社勤めの人なのかなと思います」(デザイナー・岡崎さん)  また、現状で予定されている休業補償の制度では、フリーランスが受け取れる金額は1日4100円と少ない。フリーランスの母親は、休校の影響で家事・育児の負担が増した場合も、仕事を受ける・断るの判断をするのは自分自身。個人で働き、仕事量を自分で調整しているがゆえ、「新型コロナの影響でこれだけ損害が出た」と証明するのも難しい……という問題もある。 「『自宅で個人で働いてるから、仕事をセーブしようと思えばできるでしょ?』みたいに思われるのも辛いですよね。またフリーランスの場合は、休校の影響で仕事の時間がなくなったら、自分の意志で仕事を断ることができますが、そのぶん収入は減りますし、『断ったらもう頼んでもらえなくなるかも』という恐怖もあります」(デザイナー・岡崎さん)

習い事の休止によって自分の仕事も回らなくなる

 また今回の休校は突然の決定だったため、「うちの学校は夏休みのように決まった宿題も出されていない」と岡崎さん。1日5~6時間の授業が拔けた分、子供に何をさせればいいのかも悩んでいるそう。 「タブレットを使った通信教育や、公文が在宅学習用に用意してくれた教材、SNSで無料公開されているペーパークラフト等をやらせてますが、余った時間はYou Tubeを見るだけとかになっちゃいます。習い事の大半が休止になっちゃったので、子供は本当にすることがないんですよ。  そんな中で無理やり家に抑え込むのは、子供にも親にも本当にストレスです。だからウチは、人と近くで接触しない公園とかに連れ出して遊ばせちゃってますけどね。表向きは外出は禁止されてますけど、うちの近所は子供で溢れちゃってますね(笑)」(デザイナー・岡崎さん)  なお、このインタビューを行ったのは、安倍首相が3月14日の会見で「安全な環境のもと、屋外に出て運動の機会も作ってください」と呼びかける前。それ以前の対応は自治体により異なっていたが、五十嵐さんの住む地域では「3時までは外出不可となっていて、娘や娘の友達はそれを律儀に守っていた」とのこと。このあたりも、明確な指針が示されていなかったことが、混乱を招く原因になっているだろう。なお五十嵐さんも習い事の休止を嘆いていた(以下の発言も「屋外に出て運動の機会も作ってください」と呼びかけがなされる以前のものです)。 「学童を辞めさせた後は、習い事があったから何とか私の仕事も回せていたんです。それが一切なくなって、図書館や児童館も3月いっぱい中止の状況なので、私も子供をみなきゃいけない時間が増えたし、子供も本当に遊ぶ場所がないんです。理想は『家でじっとしていろ』ということなんでしょうけど、遊び盛りの子供にはそれはムリですよね。私も家での仕事に集中できるのは、子供が出かけた3時以降なので、家で仕事をしている日は『早く3時にならないかな』と毎日思っています」(編集者・五十嵐さん)  子供と過ごす時間が増え、仕事にあてられる時間が削られれば、最終的には「睡眠時間を削って仕事をする」という判断も行うことになる。岡崎さんはこう話す。 「ウチは旦那が8時半ごろには帰ってくるので、そこから子供を見てもらって、早めに寝かしつけてから仕事をするしかないですね。私は家にいる子供を無視して、ご飯も別々で仕事をする……みたいな生活はイヤ。食事まで別になると子供も凄く寂しがりますから。あと、子どもたちは急な休校で学校にいけなくなって、本当にショックを受けています。なので一緒に過ごせる時間は過ごしたいと思っています」(デザイナー・岡崎さん)
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母親だけが困る状況に
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