――今回もし選抜が開催されていたらどのチームに注目されていましたか？　東海大相模対大阪桐蔭とか観たかったですよね？ 前田：そうですよね。そのカードが序盤で実現……っていう感じになってもまた熱いですしね。それに’17年の選抜みたいにまた履正社対大阪桐蔭っていう大阪勢同士の決勝戦っていう可能性もあったと思いますし。 ――仮定の話ですが、どこが優勝していたと思いますか？ 高岸：この長い甲子園の歴史の中でもう全チームが一生懸命でもうどの年度も出場の全チームが優勝してきたので、今回も全チームが優勝だとは思っています。 前田：それは精神的な意味でだね（笑）。まぁ僕の個人的な考えでは高校野球ってかなり監督の存在が大きいと思うんです。特にこれまで何回も甲子園に出ているような監督っていうのは、勝ち方のコツを知っているのかなと。そういう意味では西谷浩一監督率いる大阪桐蔭。甲子園に出て来ると常に上位進出していますからね。 ――最後に球児たちに対して激励のひとことを! 前田：みんな勝利を、甲子園を目指して頑張っているとは思うんです。もちろんそれは大切なんですけど、横を見たときに一緒に努力している仲間の存在だとか、自分自身がレギュラー争いしているなかで味わう葛藤とか苦悩とかが大人になったときに、もしかしたら甲子園で活躍した経験よりももっと大事なものになるんじゃないかなと。 　もちろん夏の甲子園はあると思って頑張ってほしいんですが、なくても別にすべてが台なしになるワケでもないし、野球の素敵な部分っていうのは、甲子園だけではないので、夏の大会のあるなし関係なく、今を大事に頑張ってほしいなとは思いますね。 高岸：この先の人生は長いので、今回の事態を大きく捉えてその中で今自分が出来るベストは何か。それを選択出来るのは自分自身だ、自分の人生の主役は自分なんだっていうことを肝に命じながらぜひそれぞれが思う夢に楽しく向かって進んで行って欲しいです。応援してます!!　現役球児たちよ、先輩球児たちからのこの熱いエールを胸に刻んで前を向いて頑張れ！　決して下を向くな!! ＜取材・文／上杉純也 撮影／鈴木大喜＞