仕事

都内ライブハウス経営者の本音「世間から見れば“遊び”なのは理解してるけど…」

ライブ配信の有料化で起死回生を狙う

苦悩 今まで順調だった仕事が突然、コロナウイルスによってゼロになる。とはいえ、正田さんには妻と子どもがいるため、収入を得なければならない。 「ラーメン屋とか床屋とか、一般的な業種の個人経営者がうらやましい。自粛ムードのなかで営業していても『生活があるから仕方ない』と思ってもらえる。一方、僕みたいなイベント屋は『こんな状況なのに何をやってくれているんだよ!』と非難を浴びてしまいます。こっちは仕事として真剣にやっていても、世間から見れば“遊び”という商売なのは、自分でも理解していますが……」  実際、今後はどうするつもりなのだろうか。イベント再開の見通しはあるのだろうか。 「ライブハウスの復活は、今はまったく考えられないです。とにかく早く平和になってもらいたいだけです。とりあえず今日、秋葉原でライブ配信用のパソコンを買ってきました。これから有料配信を始めようと思って。それで稼げるようになればと。電気屋さんに聞いたら、動画配信用の機材が売れているようでした。たぶん、似たようなことをみんな考えているのかもしれません」  今後しばらくはイベントを打つことができないのは事実。正田さんは演者を呼び、ライブ配信を始めるという。ただ、これまで動画などを手掛けた経験はなく、イチから手探りで勉強するつもりだ。 「先は見えないけど、前を向くしかないです。とりあえずライブ配信有料化に全力で臨み、コロナが完全に収まったら以前のようにイベントをやって、また演者たちと会いたいですね。その日が来るまで頑張るだけです」  その目には、力強い光が宿っていたのだった。<取材・文/今永ショウ>
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