収入ゼロ…プロ野球延期でビール売り子、球場内売店にも大打撃
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、NPB(日本野球機構)とプロ野球12球団は4月17日、5月中の開幕断念と今季のセ・パ交流戦の中止を決定した。当初3月20日だった開幕は延期されたまま、見通しが立っていない。この事態は選手や球団だけでなく、球場の関係者にも大きな打撃を与えている。
大学に通いながら都内の球場でビールの売り子として働くElenaさんは「他にするバイトがなくて困っています」と、この状況に戸惑いを見せている。
「開幕はいつになるんでしょうか……待ち遠しくて仕方ありません。でも、無事に開幕して売り子の仕事ができるようになったとしても、私たちが『ビールいかがですか~』と大きな声を出しながら行き来すると、お客様も(飛沫を)心配するかな……? とちょっと不安もあります」(Elenaさん)
もともと野球が大好きで「大学に進学したら、絶対に売り子のアルバイトをしたいと思っていました」と語る前田星奈さんは、売り子を始めて今年で3年目。彼女もElenaさんと同じく「今は収入がほとんどない状況で困っています」と語る。
「収入が減ったことも悲しいですが、売り子仲間たちにも会えず、いつも買ってくれているお客さんと野球の会話をすることができなくて寂しいです。売り子仲間とはたまに連絡を取っていますが、みんな『どうしよう……』という感じです。コロナが流行し始めた当初は『収入がなくなってどうする?』といった話をしていましたが、今は日に日に感染者数が増えているので、収入よりも健康を第一に考えています」(前田さん)
4月23日に開かれた12球団代表者会議では「開幕しても当面は無観客試合で」という方針で一致したという。となると、開幕したとしても売り子や売店は営業ができないことになる。
「売り子のお仕事ができないんじゃないかという不安と心配はもちろんあります。球場で売り子さんからビールを買って飲むことも野球観戦の大きな楽しみの一つだと思うので、最初は納得できない部分もありました。でも私はプロ野球が大好きなので、当面は無観客試合だとしても、ファンとしてずっと応援し続けていきます」(前田さん)
いつから球場でビールを売ることができるのか。まったく先行きが不透明な中で、彼女たちはプロ野球開幕と球場でビールを売ることができる日を待ち望んでいる。
「売り子はみんな常に笑顔ですが、お客様から呼ばれると嬉しくてさらに笑顔になるんです。開幕したら、久しぶりに会う常連さんや新規のお客様と楽しくお話しして、野球観戦をさらに楽しんでもらえるよう私たちも頑張りたいです! 去年よりも盛り上がる開幕を期待しています!!」(Elenaさん)
「私だけでなく、多くのプロ野球ファンの方々が不安と寂しさでいっぱいだと思います。でも、今はコロナ収束のために自粛しながらこの状況に耐えましょう……! そして1日でも早く、野球場の雰囲気を味わいながらビールを販売して、お客さんとの会話を楽しめる日が来るようにと願っています」(前田さん)
開幕しても当面は無観客試合で、売り子はビールを売れない!?
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