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世界中で広がる『どうぶつの森』連携。メトロポリタン美術館の収蔵品が飾れる仕組みは?

あの有名な絵画もゲーム内に飾れる!

・ヨハネス・フェルメール「水差しを持つ女」  メトロポリタン美術館は世界で三十数点しか現存していないフェルメール作品のうち5点を収蔵しています。なかでも有名なのが「水差しを持つ女」。柔らかな光がさす静かな室内、落ち着いた表情で左手に水差しに握る女性……。フェルメールの5点はいずれも『どうぶつの森』内に飾れるので、すべて並べて優雅な気分に浸るのもいいですね。

メトロポリタン美術館のサイト。共有ボタンに『どうぶつの森』が加わっている

・ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ「糸杉」  ゴッホが死の前年に病院で描いた作品。この頃、彼が繰り返し取り上げたモチーフのひとつ、糸杉が描かれています。渦を巻く空と雲、昼に浮かぶ三日月……。そしてなんといっても強い存在感を放つ糸杉。ほかにも「自画像」などゴッホ作品は多数です。 ・伊藤若沖「葡萄双鶏図」  尾形光琳「八橋図屏風」、東洲斎写楽「三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛」など、良質な日本美術も数多く収蔵しているメトロポリタン美術館。人気が高まっている伊藤若沖の「葡萄双鶏図」は、彼の代名詞的モチーフ「鶏」を大胆に描いた作品。粗いマス目での再現になってもそのインパクトは薄れません。  32×32マスと限られているので、オリジナル絵画の雰囲気そのものではありませんが、逆に別の面白さや新たな芸術性がプラスされているとも言えます。好きな作品を並べて自分なりの企画展を開くのも楽しいですね。

世界中に広がる『どうぶつの森』連携

 ほかにも石油王J・ポール・ゲティが自分のコレクションを公開したロサンゼルスのゲティ美術館も、収蔵品の一部を『どうぶつの森』向けにできるサイト「Animal Crossing Art Generator」を公開しています。こちらも好きな絵を選ぶとQRコードが生成される仕組みです。

ゲティ美術館のサイト内の「Animal Crossing Art Generator」

 また、ゴッホの弟・テオの充実したコレクションを受け継いだアムステルダムのファン・ゴッホ美術館も『どうぶつの森』用のQRコードを公式サイトに公開。「ひまわり」「花咲くアーモンドの木の枝」「自画像」など11点が使用可能です。

QRコードでダウンロードした美術品を並べて、気分は野外展覧会

 美術館ではないですが、世界的ファッションブランドでもデザイン配布の動きが広まっています。「マーク ジェイコブス」「ヴァレンティノ」は公式インスタグラムで、自ブランドの服を『どうぶつの森』向けに公開しています。

インスタで公開されている「マーク ジェイコブス」の服用デザイン

ゲーム内では自分のキャラにブランドの服を着せられる

 今後、さらに『どうぶつの森』と現実世界の連携が広まっていくのは確実。ただ、あまりに現実が入り込んでしまうと『どうぶつの森』ではなく『にんげんの森』になってしまうかもしれませんが……。
ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も
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