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名古屋デリヘル嬢の暴行致死事件。弁護人が職業べっ視発言を連発、変な空気に…

名古屋地裁

知人女性2人によるリンチの実態

 愛知県豊田市の山中で昨年2月、名古屋市天白区のデリヘル嬢=当時(31)=が遺体で見つかった事件で、傷害致死や死体遺棄などの罪に問われた同市中区の石川一代被告(35)と同県稲沢市の門田典子被告(38)の第2回公判が名古屋地裁で開かれ、石川被告の主任弁護人が裁判長、検察官、門田被告の主任弁護人から集中砲火で叱責されるという珍事があった。  この事件は被害者も加害者もデリヘル嬢。6月23日に開かれた第2回公判では3人といずれも面識があり、被害者が亡くなる直前に会ったというデリヘル嬢が検察側証人として出廷した。  証言によると、被害者のデリヘル嬢は生前、石川被告や門田被告と同居しており、石川被告にデリヘルの稼ぎをピンハネされたり、「稼ぎが悪い」とホウキの柄で殴られたり、真冬のベランダに下着姿で放り出されたり、逃げ出さないようにと針金で手首や足首を縛られたりしていた。  また、被害者が亡くなったとみられる昨年2月2日朝には、石川被告に「体温が上がらないから、背中にカイロを張るのを手伝って」と言われ、被害者の背中に石川被告がカイロを貼るのを手助けしたとも証言した。  全体的な構図として、障害者年金をもらっていた被害者に目を付け、石川被告が金づるとして利用し、門田被告はそのとばっちりが自分に来ないように、石川被告に迎合して暴行に加わっていたという検察側の主張が補強される形になった。  石川被告の主任弁護人による反対尋問で冒頭の珍事が起こる。

「デリヘルはどんな仕事をするの?」

 石川被告の主任弁護人は、「デリヘルというのは、どういう仕事をするのか、具体的に説明して下さい」という質問に始まり、「男性に性的サービスをしてお金をもらう仕事ということでいいですか」と確認。客が支払うサービス料が1万5000円前後であるのに対し、「自分が受け取るのは3000~5000円」という答えを引き出すと、「ずいぶんかわいそうですね。男の経営者はひどいですね」と言いつつ、次のような発言をした。 「そうすると、あなたは社会的弱者だと思うんですよ。1万5000円のうち、5000円しかもらえなくて、あとは経営者に取られちゃうわけでしょう。あなたはどういう気持ちでこの仕事をやっているんですか?」  検察官は直ちに「異議」を申し立て、事件に無関係な質問であることを指摘したが、その後、証人となったデリヘル嬢は泣き出してしまい、尋問はストップすることに。裁判官や裁判員が一斉に退廷して、休廷することになったが、まもなく裁判長だけが戻ってきて、石川被告の主任弁護人に強い口調で注意を始めた。 「先生の職業蔑視はひどいですよ。人格的に否定してしまっている。証人が泣いちゃったりして、弁護人の聞き方がひどいと裁判員の方もおっしゃっています」  すると、弁護人は謝るどころか、「この事件のことを知っていれば、そういう感じ方はしない」などと反論。裁判長と押し問答のような口論を始めた。  これに対し、意見を求められた門田被告の主任弁護人は、「先生がどう感じているかの問題じゃないでしょう」と裁判長を援護射撃。まもなく証人のデリヘル嬢を別室でなだめて戻ってきた検察官は、「今、控え室で本人がどういう状態なのか分かっているんですか。職業に関する侮辱的な発言をした自覚がないんですか。常識的な問題ですよ」と激怒した。  それでも言い訳しようとする弁護人に対し、「裁判員の中には『もうやめさせろ』とまで言っている人もいる。解任までは言いませんが、今後は注意してください」と裁判長がまとめた。  地元の社会部記者が説明する。 「石川被告の主任弁護人は元検察官で、弁護士としての腕は辣腕と言われているが、ちょっとクセがある人で、細かい指摘をするために、しばしば審理を中断したりする。前日の初公判のときも開廷前に『裁判長、ちょっといいですか』と言って、公判前整理手続のときに法廷内ではマスクを着用するようにと注意されたことに対して、屈辱的だったというクレームを10分間にわたって話し続け、『早く公判を再開するように』と門田被告の主任弁護人からも催促を受けていた。『私は発言するときはマスクを着用しますけど、それ以外のときは外すかもしれません』などと言い、コロナに敏感な社会感覚がないことを露呈し、裁判員にも顰蹙を買っていた。これで石川被告の利益になるような弁護ができるのでしょうか」  被害者の死因は外傷性脳障害とされているが、これについて石川被告は「傷をつけたのは自分ではない」と言い張っている。ここが争点で、デリヘル嬢の仕事とは関係ないはずだ。  公判は現在も継続中で、7月13日に判決が言い渡される。
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