ニートになるなら東京か?山奥か? なるべく働かない生き方
――phaさんが、生活費が高くても東京に住む理由はなんですか。
pha:東京は人が集まるので、いろんな人に会えて、刺激が多い。あと、仮にどんなにうさんくさい人間であっても、人の中に埋没できるのが心地いいですね。
石井:田舎は人目が気になりますもんね。ただ、ここの場合は、限界集落でそもそも人がいないし、もとからいた集落の住民が5人でシェアハウス住民が15人なので、僕らのほうが多数派です。あと、集落の人の平均年齢は80歳なので、僕らのようなニートでも20~40代は労働力として重宝される。繁忙期は「梅取りを手伝って」などとバイトも頼まれます。こういうバイトは、同じ「働く」にしても「困っている人を手伝う」という感覚なので、苦になりませんね。
――シェアハウスで他人と共同生活を送るのは疲れませんか?
pha:東京は人の入れ替わりが早いので、そうでもないです。同じ住人が半年いれば長いほうです。
石井:ニートのシェアハウスって、毎日ワイワイしているわけじゃないんですよ。各々の部屋があるのでそこに一日いてもいい。気が向けば共有スペースに集う感じです。
pha:そうそう。人間関係は結構希薄ですよ。そもそもニートになる人は「他人にうまくなじめない」「一人が好き」と言う人たちが多いんです。だから、ほどよい距離感が保てるのかもしれない。
石井:あと、山奥に家がある場合、他人と積極的に関わりたい人や悪意のある人は、わざわざ来ません。
pha:ここは最寄り駅から、車で2時間もかかるもんね(笑)。
石井:「山奥」という立地が、人間関係の一種のフィルターになっているように思います。
『夜のこと』 元”日本一有名なニート”・pha(ファ) 初の小説を執筆! |
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