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東京五輪が中止になったら、選手村マンションの資産価値はどうなる?

オリンピック中止でメリット多数?

 まず「選手村跡地」というフレーズが消えてしまうわけだが、これに重きをおいた個人がどれほどいるであろう。選手村の跡地という歴史が生活に直結する経歴でないことは明らかで、これ自体に資産価値があるとは思えない。開発が発表された際に、オリンピック開催の熱量と相まって前面に押し出されていただけで、その機能は「販売促進用のブースター」とでも言おうか、いずれにせよ新築販売時に特化したものであろう。  モデルルームを訪れて購入に至る間に、背中を一押しする力があったとしても、このフレーズを購入の決め手にした人が果たしているのだろうか。将来的に、中古物件として流通する際にも同様のことが当てはまりそうだ。  そもそも中止になった際に(選手村仕様に一旦は完成させるのかどうかは不明だが)、居住用に向けた改装工事が、極めてスムーズに施工されるという恩恵があると思われる。当初の引き渡しを前倒しすることは考えづらく、前もって確保しておいた職人の方々をもって、しっかりと工事期間を用いて改装にあたるというのは、品質的にきちんとしたものが作られると考えてよいだろう。  また、当初より懸念のひとつであり資産価値に大きく影響を及ぼしそうなBRT(バス高速輸送システム)についても、中止の際には稼働と検証が前倒しできる可能性が出てくることも好条件ではないだろうか。最寄り駅からの表記では不利な物件であるため、稼動したBRTの有用性が広まれば、晴海フラッグの弱みはひとつ解消されるに違いないし、将来的に他の物件への展開にも大きく寄与する可能性が見込まれる点ではある。
晴海フラッグ

画像;晴海フラッグ公式サイト

 晴海フラッグのプロジェクト自体は、その眺望(公式では「超望」とさえ表記されている)や、商業施設はもちろん、保育施設・介護施設(介護住宅)が盛り込まれた全体を指し示すものである。選手村跡地というフレーズにとらわれず、今一度原点に立ち返られてはどうだろう。<文/古川博之進>タワマンに住む会社員。不動産業、マンション理事長の経験を元に主に不動産業界のテーマを執筆。年100回開催経験から合コンネタも扱うが、保護猫活動家の一面も持ち合わせている。
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