部屋の中には老婆一人と大量のコッペパンと牛乳…この家で起きていたことは?
―[実録・不動産トラブル]―
「ちょっと調べてほしいことがあるんです……」
不動産業界に身を置く私は、不動産の個別相談会で様々な人間に出会う。冒頭のセリフとともに私の前に現れたのは、60代で飲食店を営むご夫婦だった。
“不動産相談会”とうたっているのに全く別の調査を相談されたので、とりわけ記憶している。
怪しい調査依頼に応じると…
張り込まなくても、通りすがりに何度か眺めるだけで、状況も十分に把握できた。1階は玄関が2つの二世帯住宅になっており、片方にはお母様が、もう片方には弟夫婦が。2~4階は賃貸で、立地と平米数から試算すれば、ローンを差し引いても手残りは十分、将来的にも安泰。賃貸併用物件としては成功の部類に入るだろう。
家の前で見かけた老婆の車椅子を息子らしき人(依頼人の弟)が押し、その脇を嫁らしき人が歩く様は、何の変哲もない光景であり、私は、依頼者に見たままを報告した。そもそも何を知りたかったのだろうか。報告に対して深く追及されることもなく、釈然としないまま“調査任務”を終えた。
それから半年ほど後、たまたま付近を通る機会があったので、気になった私は、飛び込みのセールスマンの体で母親の方のインターホンを押してみた。警戒はされたものの、大雑把な自己紹介とあわせて、息子さん(兄の方)の話を出したせいか、話を聞いてもらう事ができ、家にも上げてもらう運びとなったのだが……。
生活用品が乱雑する室内には、大量のコッペパンと牛乳が
そう言われて、開けた冷蔵庫には、未開封の1リットルの牛乳パックがぎっしりと詰め込まれていた。量もさることながら、彼女の力では紙パックを開けることは不可能としか思えない。
大量のコッペパンと大量の牛乳。失礼ながら、ペットとして飼われている犬や猫を想像した。長期旅行に行く間に、ご飯と水を置いていく、あのイメージだ。
何なのだ、この状況は。
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タワマンに住む会社員。不動産業、マンション理事長の経験を元に主に不動産業界のテーマを執筆。年100回開催経験から合コンネタも扱うが、保護猫活動家の一面も持ち合わせている。
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