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新車で550万円のCR-Vか?中古で20万円のHR-Vか? カーマニアの結論

 HR-Vとは、今から22年前にホンダがリリースした小型SUV。日本では売れずに一代限りで消滅したけれど、これが現在のヴェゼル(海外名HR-V)になった。つまり、CR-Vの弟分である。  思えば初代CR-Vも、このHR-Vの兄貴分にふわさしい、直線基調のクリーンなデザインを持つ小型SUVだった。それがいつのまにか、まったく血のつながりを感じさせない、こんなにプヨプヨした大型まんじゅうになりました。
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CR-V

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HR-V

 こうして2台を並べてみると、やっぱり日本人は可憐なHR-Vに目が釘付け! 担当Kも、主役のCR-Vには目もくれず、「これ、いいですね~!」とド中古のHR-Vにコーフン状態である。  運転してみると、17年落ちとは到底思えない状態の良さで、走りは軽快そのもの。5ナンバーサイズで大きさもちょうどいい。なによりデザインがシンプルで美しい。ああ、このころのホンダ車はよかった……。  そこからCR-Vに乗り換えると、なんてデカくてゆったりしてるんでしょう。試乗したのは2リッターエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドモデルでしたが、鷹揚にシュルルーと走るその様は、王者の風格と申しましょうか。日本人からアメリカ人に生まれ変わって、アメリカサイズのマックフライポテトのLを食っている気分である。  こんなにデカくても、燃費計がリッター18㎞前後というのは、さすが現代のハイブリッド。対する1.6リッターガソリンエンジンのHR-Vは、リッター11㎞くらい。やっぱり22年間の技術の進歩はスゲエ!  でも、世界で売れてるホンダ車は日本では売れなくて、逆に日本で売れてるホンダ車は、世界ではまるでダメなのが現実だ。軽は日本専売だから当然だけど、日本で売れてるフィットもフリードも、海外では小さすぎてダメなのですよ。小さいクルマが売れるのは、全世界で日本だけになりつつあるのです。  逆に言うと、世界で戦うためには、デカくするしかない。日本経済を支えているのは自動車産業! 家電がコケた今、日本経済は自動車に頼るしかない! CR-Vはデブでヨシ! プヨプヨ路線で海外相手にがんばってくれ! 我々は中古のHR-Vを探すから!  ちなみに、このHR-V。車両価格たったの20万円だって。対するCR-Vは、オプションテンコ盛りで約550万円でした。
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世界と日本では、クルマの好みというかクルマに求めている物がこんなにも違うのかと再確認。軽自動車、ミニバン、ハイブリッド……。日本はとことんガラパゴスなんですねえ

【結論!】 CR-Vが日本で売れないのは、デカいだけが原因ではなく、標準装備がゴージャス過ぎて、ライバルのトヨタRAV4に比べて値段が30万円くらい高いのも大きい。が、それでも海外で売れてるのでヨシ!
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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