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首都圏での水害に「強いエリア」と「弱いエリア」。ハザードマップには盲点も

河川から距離が離れていても…

 では、ハザードマップで赤や黄色に色分けされる河川近郊の物件を除けば水害を回避できるのだろうか? 実際のところ水害は河川の氾濫だけに限られるものではない。たとえ河川から距離が離れていようとも、町全体がオーバーフローすることが考えられるからだ。  そもそも町や建物の排水設計というのは、雨水を1時間当たり50ミリと想定して計画されているのだが、この前提となる数値が既に昭和時代のものであるため、昨今の100ミリ超えが当たり前となった集中豪雨には対応しきれないのである。 大雨 本来は雨水が流れ込んでいくべき雨水桝やグレーチング(網上の蓋)から、逆に溢れてきている状況を目にする機会も増えた。このような水害を避けるためには、エリア全体の地形というのも見逃せなくなってくる。氾濫とはかけ離れたエリアでも、物理的な高低差が存在すれば、やはり水は低いところへと集まってゆくからだ。 「○○坂上」「●●坂下」等の地名はそのまま参考にできるし、そもそも目視で高地か低地かも判断できる。遮蔽物が多く周りを見渡せない場合はこの高低差が判明しづらいため、物件を選ぶ際に周囲を見て回ることをおすすめする。
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安全な穴場エリアはどこ?
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タワマンに住む会社員。不動産業、マンション理事長の経験を元に主に不動産業界のテーマを執筆。年100回開催経験から合コンネタも扱うが、保護猫活動家の一面も持ち合わせている。

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