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首都圏での水害に「強いエリア」と「弱いエリア」。ハザードマップには盲点も

安全な穴場エリアはどこ?

東急池上線

東急池上線

 こう考えれば、大前提である高台の中で、一定して高さがある場所が安全と推測されるのだが、首都圏の一例としては新宿区が挙げられる。その中でも高田馬場の周辺は、地震に対する強度も含めて災害には強めなエリアだと言えよう。また、高級住宅地として有名な田園調布も安全圏に該当するわけだが、なかなか一般人には手が出ないエリアのひとつ。しかし、この周辺の石川台駅や旗の台駅(共に東急池上線)は、地名ブランドや電車の利便性を除外すれば検討できる安全なエリアであろう。  世田谷も渋谷も大半が高台で安全に見えるのだが、小さい河川等によって削られた「谷」による高低差が多く存在しているため、先述したような事前の周囲確認を怠ってはいけない。地名の起こりや、使われている漢字が、各種災害に由来していることはご存じの通りで、住まいを探す際は大いに参考になるのだが、マイナスのイメージを払拭するために名称が変更されたり、災害が起こらぬよう願いを込めて人為的につけられた名称も増えてきていることはお忘れなきよう。このあたりも詳しくは役所で確認することができる。  そうはいっても、これらはあくまで水害の予防にフォーカスした話であり、他に金銭面はもちろん生活環境や通勤・通学など考慮すべきテーマは多岐に渡る。今、全世界を震撼させているコロナウィルスに関しても、ウィズ・コロナをどう生きるかと叫ばれているように、大雨や地震といった自然災害も「避けては通れないもの」であると認識したうえで、世間に溢れている情報をうまく取り入れていくことが重要だと筆者は考えている。<文/古川博之進>
タワマンに住む会社員。不動産業、マンション理事長の経験を元に主に不動産業界のテーマを執筆。年100回開催経験から合コンネタも扱うが、保護猫活動家の一面も持ち合わせている。
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