更新日:2020年08月20日 16:13
ライフ

コロナ下で飲み屋は?京王・聖蹟桜ヶ丘を歩いてみた<清野とおる ×パリッコ>

何気ない瞬間を噛みしめる、久しぶりの酒場

 あてもなく街を徘徊していると、あるひとつの建物が気になった。
聖蹟桜ヶ丘

あそこに張り付いてる小屋、なんだろう?

聖蹟桜ヶ丘

小さな小さな居酒屋? そんなわけないか……

聖蹟桜ヶ丘

いや、ありえる!

 一応、今日は金曜日なんだけど、このあと営業が開始するんだろうか? でも、もしここが酒場だったとして、この規模じゃあソーシャルディスタンスのとりようがなさそうだ……。  ともあれ、今は営業開始の気配もないので、探りを入れるべく、同じ建物に他に2軒入っている酒場のうちのひとつに入ってみることにした。
聖蹟桜ヶ丘

久しぶりの乾杯はこちら「福よし」で

 コロナ対策のために窓を開け、扉も定期的に開けて換気をしつつ営業しているというこちらの店。そのため窓からの風が絶妙に心地よく、生ビールを飲むにはこれ以上ない環境だ。
聖蹟桜ヶ丘

完璧な生ビール!

聖蹟桜ヶ丘

お通しはどこか懐かしい味わいの酢豚風炒め物

聖蹟桜ヶ丘

「牛ロース焼山かけ」ってなんだろう? と頼んでみると……

聖蹟桜ヶ丘

え!? これで600円!

 ちなみにメニューは「牛ロース山かけ」ではなく「牛ロース」と「山かけ」が同じ600円なので、並べて書いてあるだけだなんだそう。そんな小さな出来事が、久しぶりだとものすごく楽しい。 パリ:では3人で距離をとりつつ、かんぱ~い! ……ぷはー、たまんなすぎますね、生ビール。 清野:お通しもしみじみとうまいですよ。 パリ:家での晩酌も楽しいけど、こういう予想外の味に出会えて、それが美味しいみたいなのって、酒場ならではの楽しさですよね。 清野:「あー、この感じこの感じ!」って、些細なことに幸せ感じちゃうなぁ。 パリ:牛ロース焼もうま! これで600円って、いきなりとんでもない名店に入っちゃったんじゃないですか? 清野:大将も常連さんも「1軒目」に相応しすぎる顔ぶれですね。距離感、温度感、酒も料理も全てが理想的な1軒目。Kでは終始受け入れてもらえなかったのに、聖蹟桜ヶ丘はこんなにも我々のことを……なんか、今、うるりときました。 パリ:わかる! あ、大将、まだ 18時なのにジョッキでビール飲みだした(笑)。大将の適度なおもしろさも理想的だなー。 清野:さっきからカウンター越しに、大将が五月雨式にジョークを飛ばしてきますね。その場でふわっと雪のように溶ける、記憶に残らないテキトーなジョークを(笑)なんだか無性に心地いいや。 パリ:正直弟子入りしたいっす。最近コロナ禍に順応しすぎて、「もう外飲みはしばらくいいかなー。家最高ー。」とか思ってたんですけど、やっぱ外は楽しい。街は楽しい。 清野:人も楽しい。
聖蹟桜ヶ丘

「爆笑したのに記憶には残らない、華麗なジョーク。『ジョーク検定』があれば、大将は間違いなく黒帯の有段者だろう。いつか自分も、酒場でこういうジョークをかませる人間になりたいもんです」(清野)

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Kの街での嫌な記憶が…
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1978年東京生まれ。酒場ライター。著書に『酒場っ子』『つつまし酒』『天国酒場』など。ライター・スズキナオとのユニット「酒の穴」としても活動中。X(旧ツイッター):@paricco

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