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年収1000万円超で“貯金ゼロ”の家庭。小遣い月20万円も「無駄遣いの意識ない」

 40代の“貯金ゼロ”は23.2%もいる(「20代・30代・40代の金銭感覚についての意識調査2020」SMBCコンシューマーファイナンス調べ)。コロナ禍で収入減や休業に直面しても、子供にかかる費用は変わらないし、ローン返済も待ったなし。そんな危機的な状況でもたくましく生きる“貯金0円家族”の実態とは?

年収1000万円超でも“貯金ゼロ”、居酒屋代がじわじわと家計を圧迫

[貯金0円家族]の危機

中井啓輔さん(仮名・40歳)

「年収は1000万円以上ありますが、これといった贅沢はしていません。家族で海外旅行にも出かけないし、マイカーもなし。しかし、大学卒業以来、貯金はゼロです」  誰もが知る大手IT企業のマネジャー職として働く中井啓輔さん(仮名・40歳)。給料日前である毎月24日の口座残高は数千円になることも珍しくない。 「6年前に結婚し、2人の子供が生まれましたが、結婚後も貯金をしようと思いませんでした。よく年収1000万円は高収入と言いますが、手取りは700万円ほど。月にならすと50万円ちょっとです。  専業主婦の妻に支払いを任せている月15万円のローンと水道光熱費、食費などを除いた20万円が毎月自分のお小遣いに。妻には必要な資金しか渡していないので、家にも貯金は残っていないですね」
[貯金0円家族]の危機

「お酒は焼酎とウイスキーが好きです。1軒目の飲み代が5000円くらいで、2軒目で6000円くらい。結果、1万円ほどになる」

 そんな中井さんが貯金できない最大の理由は、飲食費だと自己分析している。 「同世代の友人や仕事関係で飲みに出ることが多く、平日はほとんど新橋や神田ではしご酒をしています。いつも2軒回って、飲み代は1万~2万円くらい。ボトルキープもしていますが、そんなに単価が高い店ではないし、キャバクラなども行かないので、無駄遣いという感覚はありませんでした」

貯金0円を反省して…

[貯金0円家族]の危機

テレワークのため机や椅子を計5万円で新調。飲食費が減ったのでなんとか購入できたとか

 チリも積もれば山となる。20万円もの小遣いは、ほとんどが酒に消えていっている。 「自粛期間中は飲み歩かなかったので、40万円ほど残高が増えました。ちょうど2か月分ですね(笑)。ただ、貯金していないことを反省はしていて、最近ドル建て保険とつみたてNISAを始めました」  出費を減らすのではなく、投資や年収アップで乗り切る考えのようだ。 「今の生活でこれ以上出費を減らす節約は無理。子供の学費もかかってきますし。来月、さらに高年収の条件を出してくれた外資系IT企業に転職するつもりですから、これからは計画的に貯金していきます」  自覚なきプチ浪費や、節約感覚の薄さと決別できるのか……。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
年収100万円で生きる-格差都市・東京の肉声-

この問題を「自己責任論」で片づけてもいいのか――!?
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