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「大工の源さん」の出玉スピードは世界の時間を歪めた。そして僕はバクチの罠に…

負けない日が続くときもある

 僕は大工の源さんで2万円勝った。初めての体験だった。パチンコのくせに、カジノに迫るほどの興奮を覚えた僕は時計を見る。どれだけ時間が経ったのかも覚えていない。  驚くべきことに、店内に入ってから出るまで、20分しか経っていなかったのだ。普通の台なら4,000円負けてから2万円勝つまで40分はかかる。  人が光よりも速い速度で動く時、時間の流れは変わるという。「大工の源さん 超韋駄天」は、その早すぎる出玉スピードによって世界の時間を歪めてしまった。この現象を特殊相対性理論と呼ぶらしい。  その日、僕は寝る直前まで大工の源さんのことばかり考え、この2万円の使い道を決めた。  翌日から僕は3日間源さんを打ち続けた。当たった時のことしか考えていなかったので当たるまで画面も見ずに打ち続けた。幸い、大工の源さんのヤバさに気づいている人が少なかったせいか、どの店に行っても空いていた。  1日目、2日目、両日ともに4万円勝った。所要時間はどちらも1時間以内。大工の源さんに座り、時空の狭間で4万円をもぎ取り、太陽の傾きが変わらないまま店を後にする。もうこれだけ打っていれば生活できるのではないかという錯覚に駆られ、翌週のアルバイトを全てキャンセルした。  3日目、この日も2万円勝った。1時間以内に店を出る。さながら仕事人だ。4日間で合計12万円勝った僕はその日のうちに滞納していた家賃を払う。このペースで続ければ月収は100万円を超える。引越しも考えようかな。  だが、ふとした気の緩みはギャンブルの天敵だ。その夜何をとち狂ったか競艇で5万円負けた。突然だしプロセスを全て省略しているように見えるが、本当に突然賭けて、突然負けた。4号艇が最初に飛び出してレースを引っ掻き回していたのだけは覚えている。  ギャンブル依存症は、たとえ何かで勝っていようとも突然穴に落ちてしまう。 「種銭さえあれば…」  屈辱を飲み込んで電話で謝り倒し、アルバイトのキャンセルをキャンセルした僕は、翌週その種銭を1台目の源さんに飲み込まれて再び「日雇い円環の理」から出られなくなってしまった。  家賃が払えて良かった。金額的には勝ってるので「大工の源さん 超韋駄天」は良台だと思う。競艇のアプリは消した。
大工の源さん

今年出てくれて、ありがとう

―[負け犬の遠吠え]―
フィリピンのカジノで1万円が700万円になった経験からカジノにドはまり。その後仕事を辞めて、全財産をかけてカジノに乗り込んだが、そこで大負け。全財産を失い借金まみれに。その後は職を転々としつつ、総額500万円にもなる借金を返す日々。Twitter、noteでカジノですべてを失った経験や、日々のギャンブル遊びについて情報を発信している。 Twitter→@slave_of_girls note→ギャンブル依存症 Youtube→賭博狂の詩
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